五輪惨敗! カーリング代表を“プレイングマネジャー”制にしたらどうなるか?
唯一の合議制スポーツ
素人目にはスキップ以外の3人の働きは小さなものに見えるかもしれない。だが、彼らはストーンを投げたりブラシで擦ったりすることで氷の状況をスキップに先駆けて知ることになる。もちろんその情報はスキップを含めたチーム全体で共有する。そしてチームの意思決定に際しても、3人はそれぞれの役割を担っている。
「世界の強豪チームでは、フロントエンド(リード、セカンド)が戦術を提案し、サードがそれに意見を出し、スキップがそれらを採用したり却下したりして最終判断している。つまり、スキップは独裁者ではなく“議長”なのです」
これを上下関係がはっきりした“トップダウン型”にするとどうなるか。
「他の3人が受動的になり、チームとして氷読みの精度が落ちる。判断がワンテンポ遅くなり、ミスの発見が遅れる。意見が減り、情報が減り、視点が減り、そして負ける。カーリングというのは“トップダウン型”だと弱くなる競技で、事実、上下関係が明確な強豪はほとんど存在しない。カーリングは、組織論的に民主制の方が強い唯一の“合議制スポーツ”といっても過言ではないでしょう」
2030年フランス・アルプス冬季五輪の日本代表選考方法は、日本カーリング協会が昨年10月時点で既に発表している。直近2シーズンだった選考期間が4シーズンと長くなったが、やはり“選抜チーム方式”は採用されなかった。
前編では、カーリングという競技の特殊性に照らしながら、「選抜チーム方式」を採用していない理由について解説している。
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