懐かしの海外キャンプ事件簿 阪神が大学生に完敗!ロッテは「UFO」、ヤクルトは「殺人アリ」で大騒ぎ

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痒くて痛くてヒリヒリするんだよ

 同じアリゾナ州では、1999年のヤクルト・ユマキャンプで“殺人アリ騒動”が起きている。

 第2クール初日の2月6日、若松勉監督がサザン・ファイヤー・アントと呼ばれるヒアリの一種に首や足など6ヵ所を刺された。患部はみるみる腫れ上がり、熱も帯びるなど、尋常ではない様子に、トレーナーが駆けつけ、患部の膿を除去したが、痛みはなかなか収まらない。

 治療後、若松監督は「アリに左足を刺されたら、そこが痛くて、今日は走れないんだ」と説明し、日課のランニングを中止する羽目になった。

 このアリはアリゾナ州の砂漠に無数に生息し、4日午後から5日未明にかけての大雨で一気に増殖したものとみられた。刺されて命を落とした人もいて、まさに“殺人アリ”だ。

 この日は小林国男トレーニングコーチ補佐も左足太ももを噛まれ、「痒くて痛くてヒリヒリするんだよ」と訴えた。ヤクルトは同年を最後にユマからの撤退が決まっており、翌年からアリに悩まされることがなくなったのが、せめてもの幸いだった。

久保田龍雄(くぼた・たつお)
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新著作は『死闘!激突!東都大学野球』(ビジネス社)。

デイリー新潮編集部

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