「テレビ」一筋だったマツコが「Netflix」に進出した意味 ワクワク感を取り戻せるのか
新番組「ブラックオークション」
マツコ・デラックスがNetflixと初タッグを組む新番組「ブラックオークション ~禁断の入札~」が世界独占配信されることが発表されて、話題を呼んでいる。この番組では、マツコが秘密会員制のオークションを行う。何が行われて、誰が落札をするのか、企画の詳細はまだ明らかになっていない。今回のNetflix進出が注目されているのは、それがマツコにとって新しい試みだからだ。【ラリー遠田/お笑い評論家】
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マツコは言わずと知れたテレビ業界の頂点に立つモンスタータレントである。「好きな司会者ランキング」で5連覇を達成し殿堂入りを果たし、「マツコの知らない世界」(TBS系)、「月曜から夜ふかし」(日本テレビ系)、「マツコ&有吉 かりそめ天国」(テレビ朝日系)など、数多くの人気番組のMCとして長年にわたって視聴者に親しまれてきた。
幅広い話題への深い知識と、独自の視点から繰り出される辛口の本音トークを売りにしてきた。また、極端にテレビに偏った形の芸能活動を続けてきた。今では芸能人がYouTubeチャンネルを持っているのも珍しいことではないが、マツコは自身のチャンネルを開設したりはしていない。ラジオ番組に出ることすらほとんどないし、ライブに出演することもめったにない。マツコはこれまで徹頭徹尾、テレビというメディアを自分の根城にしてきた。
しかし、マツコは今のテレビに対してポジティブな感情を持っているわけではない。どちらかと言うと、自分がテレビに出ることについて愚痴ることの方が多い。1月3日放送の「マツコの知らない世界 新春SP」(TBS系)でも、歌舞伎俳優の坂東玉三郎に対して「テレビでやること自体の限界はすごく感じてますよ。もうやっぱり今、言えないことの方が多いし」と語っていた。そして、いずれはお客さんの前で好きなことを話すような活動をやっていきたい、という話もしていた。
この番組に限らず、マツコはこのような趣旨の話を何度もしている。歯に衣着せぬキャラクターで知られているが、テレビに出ているときにはそんな自分の本領が発揮できていないと感じている。そして、長年にわたってそのことにストレスを抱えているのだ。
また、マツコはテレビに出ているとき、しばしば現場にいるテレビ制作者に対して批判的な言葉を口にする。この手の「スタッフイジリ」はバラエティ番組ではたまに見受けられるものだが、マツコほど頻繁に収録中にスタッフに話しかけるタレントはいない。話す内容も「こういう企画をやっているからお前らはダメなんだ」というような、核心を突く本気のダメ出しのようなものが目立つ。テレビの中でテレビそのものを批判の対象としている。
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