トランプ大統領は「1人あたり1500万円」配付検討も 領有巡りグリーンランド人の“本音”は? 「85%は反対だが、残りは必ずしも…」
85%が編入に反対
トランプ米大統領がグリーンランドの領有に向けて圧力をかけている。米政府は住民(約5万7000人)1人あたり最大10万ドル(1500万円)を配ることを検討しているというが、現地では、
「グリーンランドは売り物ではない!」
とプラカードを掲げる住民がデモを行っているが、心の底はどうなのか。まずはグリーンランド在住の日本人と話をしてみたく、現地に詳しいウィンザー庸子氏に聞いてみた。氏は2003年からデンマーク本国に在住し、公認ライセンスガイドの資格を持っている。もちろん、グリーンランドに何度も足を運んでいる。
「現在、グリーンランドに住んでいる日本人は、私が知っている範囲で2人です。一人は大島育雄さんという有名な方で、冒険家の植村直己さんが極地トレーニングを行った際、一緒にグリーンランドに渡った人。現地女性と結婚し、アザラシなどを捕って暮らしています。ただ、最近はメディアには出ていません。もう一人は連絡先も分かりません」
そんなわけで、現地在住の日本人に話を聞くことは難しそうだ。代わりにウィンザー氏が言う。
「グリーンランド住民の多くは将来的に独立したいと思っているでしょう(註・昨年3月の選挙では独立漸進派が勝利している)。でも、それを急いでいるわけではない。ご存じのように同島には自治権があり、首相もいます。一方で、本国と同じ福祉の恩恵を受けている。具体的には学校の授業料が無料で、医療費も原則としてかからない。高齢者福祉制度も充実している。デンマークの新聞が行った世論調査で85%の住民が米国への編入に反対していることからも、現状に対する肯定的な評価がうかがえます」
賛成に傾く人
ただ、負の歴史もある。1960年代、デンマーク政府が現地女性に避妊を強制したのだ。人口抑制のためだとする報道もあって、後に“断種政策”とも批判された。しかし、これをもってデンマークと手を切るという事態にはなっていない。
他方、トランプ氏の差し出す金は住民の選択に影響を及ぼすだろうか。
「先ほど85%は編入反対と説明しましたが、残り15%は必ずしもそうではないということです。例えばグリーンランドは12月ぐらいから太陽が出ない極夜の季節になります。すると、うつになってアルコールに溺れる人がいる。仕事もできずお金に困るような人は、賛成に傾くかもしれません」
大金をもらってアメリカ人になるか、長い夜を耐えながら大自然と暮らすか。皆さんならどうする?


