早大卒アイドルの壮絶な反抗期「家の壁に穴を開けた」 “毒親”への反発、真っ白な髪で通学した大学時代と「救い」
「推されるに足る人間になろう」
“推される側”としてのプライドも身につけた。
「変に謙遜することをやめました。最初は『こんな一般人にお金払ってくれていいんですか?』って内心おどおどしていました。でも、お客さんはお金と時間を使ってくれているのに、謙遜していたら失礼だなと思ったんです。自分が応援している子が『私なんて』とずっと言っていたら、推し甲斐がないですよね。自分のことを可愛いと思うと嫉妬される、みたいな風潮が少し前まであったと思うんですが、推されるに足る人間になろう、と自己肯定感がつきました」
コンカフェからアイドルに興味を持ったきっかけも一風変わっている。コンカフェで目に見える“経済格差”に違和感を持ったためだ。
「学生や若い子が5000円のシャンパンを下ろしてくれれば、ありがたいしお喋りしたいです。でも、横で同時に10万円のシャンパンが出たら、そっちのお客さんを優先しなければいけないのがコンカフェです。そのシステムが私は心苦しかったし、満員になるとお断りしないといけないのも申し訳なくて……。でも、アイドルの特典会だったら、コンカフェよりファンがコミュニケーションに参加する際の経済的ハードルが低く、もっと多くのファンの愛に応えて、お話もできるかなと思いました」
コンカフェ嬢時代に今の事務所から誘いを受け、「就職してやりたくないことをやっていくより、ちょっとでも才能がありそうな道を選んだほうがいい」と決断した。
「親には『就活やってるよ』と適当にごまかしていました。リクルートスーツも一度も着たことがないのに(笑)。やっぱり卒業前に『アイドルとかやってるの?』とバレました。でも新卒社会人より稼いでいたので、給与明細を見せて、一人暮らしの家も見つけて。金銭的な迷惑は一切かけないと宣言して自立して、お互い干渉せずに生きています」
大学4年の2022年6月にデビューし、翌年3月に卒業してからはアイドル一本で活動し続けている。
「バンドサークルにもいたので、大学の友達も音楽を仕事にできたことを素直に喜んでくれました。皆が企業に進んだのと同じように、私もアイドルという就職先を選んだ感覚です。行きたい企業も特になかったし、もし普通に就職したら、選ばなかったこの道がずっと頭から離れなくて後悔したと思います」
超・異色に見える経歴も、本人は冷静かつ筋を通した決断の末に選んできた道だ。
第3回【「私を好きになって」とお願いするのはダサい、憧れは「いない」と言い切る早大卒アイドルの美学】では、汐見が「アイドル」について語っている。
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