名選手が瓶で頭を殴られて血だらけに…プロ野球「自主トレ中」に起きた珍事件&珍騒動

スポーツ 野球

  • ブックマーク

 プロ野球選手の自主トレは今が真っ盛りだ。昨年も自主トレ中のドジャース・大谷翔平が、キャッチボール中に乱入したダックスフンドとみられる小型犬に優しく接する微笑ましいエピソードが話題になった。そして、過去にも自主トレ中に起きた珍事件や珍騒動は少なくない。【久保田龍雄/ライター】

氷片を投げ合って遊んでいた

 海外で自主トレ中、乱闘事件に巻き込まれ、頭を負傷したのが、横浜・佐々木主浩だ。

 1997年1月、佐々木はサイパンで友人たちとゴルフや自主トレを行っていた。事件が起きたのは、帰国直前の1月18日午前1時半頃だった。友人たちとガラパン地区のカラオケバーに繰り出した佐々木は、別のグループといざこざを起こし、瓶で頭を殴られて出血。救急車で病院に搬送され、前額部を11針縫う全治2週間のケガを負った。

 いざこざの原因について、同20日付の日刊スポーツは、アルコールの入った佐々木が別のグループの日本人女性をからかうような言葉をかけ、連れの男性を怒らせたことが発端だったとし、佐々木が謝罪してその場が収まったように見えたが、その後、佐々木がマイクを持って歌い出すと、男性が立ち上がり、持っていた酒瓶で佐々木の顔面を殴りつけたと報じている。

 たちまち十数人がもみ合う大乱闘となり、客の中にはシャツを引きちぎられ、ほとんど裸にされた者もいたという。

 一方、20日に帰国した佐々木は、仲間たちと氷片を投げ合って遊んでいたところ、別のグループの誰かが氷を投げつけ、知人の顔を直撃したことがきっかけだったと証言した。「向こうの一人がすごんできたので、僕が仲裁に入った。そうしたら、別の人間から頭に一発食らって、わけがわからないうちに(瓶で)殴られた。僕と知人が一方的にケガをさせられた。僕は一発も殴っていません。喧嘩を売るはずがないじゃないですか」。

 また、女性をからかったという報道についても、「からかったことはない」と否定した。

 球団側は「社会的な影響力のある有名人として、騒動は未然に防ぐ必要がある」(大堀隆球団社長)などの理由から、佐々木を厳重注意、2月の沖縄キャンプ中も外出禁止、アルコール禁止の追加処分を下すことも検討した。

 だが、その後、現地調査を行った球団関係者が佐々木の主張に矛盾点がなかったことを報告し、追加処分はなしとなった。

 佐々木も「今回のことはいい薬になりました。野球で取り戻したい」と誓い、同年は8月7日の阪神戦で史上2人目の通算150セーブを達成するなど、3勝0敗38セーブ、防御率0.90の好成績で、18年ぶりのリーグ2位に貢献した。

凍傷ボーイ

 自主トレの荒行で凍傷になり、キャンプに参加できなくなったのが、西武の外野手・羽生田忠克だ。

 1991年、自己最多の56試合に出場し、打率.274を記録した羽生田だったが、年俸は300万円しか上がらず、「その悔しさを解消するためには、今年の頑張りが必要になってくるんです」と、翌年1月に北海道深川市で行われた極真空手の黒帯取得合宿に参加した。精神面を強くして、レギュラー獲りの夢を実現するのが目的だった。

 気温マイナス20度の厳寒のなか、上半身裸で稽古し、裸足で火の上を歩く荒行に挑み、あまりの辛さに「何度も投げだして帰ろうと思った」そうだが、必死で耐え抜き、最後までやり通した。

 ところが、連日の無理がたたって、足の裏が水ぶくれを起こし、凍傷になってしまう。

 マウイキャンプまであと2週間というところで、慌てて病院に駆け込んだが、やや治りかけたときに、少しでも体を動かそうと軽いランニングを行ったのが仇となり、傷口に細菌が入って化膿、松葉杖なしでは歩けなくなった。

 この結果、マウイキャンプだけではなく、高知の二次キャンプ、シーズン序盤も棒に振り、レギュラー獲りから大きく後退、チームメイトから1970年代に活躍した競走馬にちなんで“凍傷ボーイ”と冷やかされた。精神修行もいいが、プロ野球選手は体が資本ということも肝に銘じなければいけない。

次ページ:キャンプ前のネタ枯れの時期だったから?

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。