今年のルーキーは「ドラフト4位以下」にも注目だ! 即戦力候補6人の“実名”
味噌カツ店の店員として
リリーフで一軍定着の期待がかかるのが、九谷瑠(王子→楽天6位)と飯田琉斗(ENEOS→ヤクルト7位)。九谷は、大阪大谷大時代に近畿学生野球の二部でプレーしており、卒業後は社会人野球のクラブチーム「矢場とんブースターズ」で味噌カツ店の店員として働きながら3年間プレー。その後、企業チームの王子に移籍したという異色の経歴を持つ。
入社1年目の昨年は、都市対抗本戦で4試合に登板する獅子奮迅の活躍でチームを優勝に導き、MVPにあたる橋戸賞を受賞した。最近では珍しいワインドアップのスタイル。テイクバックで上手く球の出どころを隠し、150キロ前後の球速をマークしている。連投でも球威、制球が落ちないスタミナは申し分なく、イニングをまたぐ登板も楽にこなせる。楽天のブルペンにいれば、非常にありがたい存在となりそうだ。
飯田は横浜商科大時代から150キロを超えるスピードをマークしていたが、制球力が課題で、ENEOS入社後も2年間は重要な試合での登板がなかった。そこから奮起して、3年目の2024年から徐々に安定感を増してリリーフとして投手陣の一角に定着した。
昨年は都市対抗予選3試合全てに登板し、1人の走者も許さない好投を見せてチームの本大会出場に大きく貢献した。身長187cm、体重100kgの堂々とした体躯から投げ込む150キロを超えるストレートは威力十分だ。さらに、昨年は140キロを超えるスプリットの精度が上がり、三振を奪えるようになった。今年6月で27歳となるオールドルーキー。1年目からフル回転の活躍を期待したい。
派手ではないがプレーに安心感
一方、野手は、成瀬脩人(NTT西日本→DeNA5位)と高橋隆慶(JR東日本→ソフトバンク5位)に注目だ。成瀬は東海大菅生時代から評判の内野手だったが、東海大では怪我もあって低迷。
NTT西日本入社後は1年目からセカンドのレギュラーに定着すると、2年目の昨シーズンはショートに回り、都市対抗予選では、4試合全てでヒットを放つ活躍を見せた。
近畿地区担当スカウトは、成瀬についてこう評している。
「ショートとセカンドの両方をしっかり守れるのがいいですね。派手なプレーをするわけではありませんが、プレーに安心感があります。打撃は、センターから右方向の打球がよく伸びますし、しぶとさもある。もう少しスピードがあれば、もっと評価は高くなったと思います」
DeNAはショートを固定できないシーズンが続いている。昨シーズンは、ベテランの京田陽太が最も多くスタメンで起用されており、成瀬がレギュラー争いに加わることも十分に考えられるだろう。
高橋は、中央大の2年春にいきなり3本塁打を放って東都大学野球一部で新人賞を受賞した強打者だ。その後はなかなか安定した成績を残すことができず、大学卒業時にはプロ志望届を提出しながら指名漏れとなったが、JR東日本では1年目から不動の4番として活躍し、プロ入りをつかんだ。
大学時代に比べると無駄な力を抜いてスイングできるようになり、引っ張るだけでなく、逆方向にも強い打球を放つ。昨年の都市対抗では、2試合で10打数5安打と見事な成績を残した。充実した戦力を誇るソフトバンクだが、主力野手はベテランが多く、昨年も故障者が続出して、野手陣の底上げは大きな課題である。貴重な大砲候補として高橋にかかる期待が大きくなりそうだ。
昨年のドラフトで下位指名された選手では、石伊雄太(日本生命→中日4位)がシーズン途中から正捕手に定着し、江原雅裕(日鉄ステンレス→楽天4位)と山県秀(早稲田大→日本ハム5位)が貴重な一軍戦力となった。今年も彼らに続く活躍を見せてくれる選手が出てくることを期待したい。
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