最注目の「安青錦」は初場所を制すか? 「新大関」の成績が伸び悩む意外な理由 「とにかくお座敷が…」
《大安時代》の幕開けが近づくか
もうひとつ安青錦の武器は、秘技ともいえる〈内無双〉。相手の足を内側から手で刈る。たまらず相手の巨体が崩れるシーンをもう何度も見てきた。まるで魔法のような瞬間。すでに安青錦は内無双で5勝している。日本相撲協会のHPによれば、全決まり手の中で内無双の割合はわずか0.03%。ところが安青錦は、寄り切り26%、押し出し25%に次いで内無双6%。3番目に多い。5勝はすでに幕内以上では最多。過去最多は元幕下の南海力の9勝だから、史上最多更新も視野に入っている。
7歳のころ、ウクライナで相撲を始めた安青錦は、内無双を「ウクライナで覚えた。レスリングに似た技があった。払う手よりも、身体をひねる方が大事」と語っている。子どもころから身体に沁みつけた秘技は、決して小手先の力ではない。全身のひねり・回転がモノをいうようだ。
果たして、初場所の優勝争いはどうなるだろう。安青錦の連続優勝はあるだろうか。
ズバリ、本命は豊昇龍。対抗は大の里。伏兵は霧島、義ノ富士。もうひとりの大関・琴桜にもそろそろ復調してほしい。番付を下げて不気味なのは伯乃富士(伯桜鵬改め)と予想する。玉鷲、高安にも優勝争いに絡んでくれたら盛り上がる。この猛者たちの中で、新大関・安青錦が覇権を制する可能性は高くないだろう。数字にすれば15%程度か。
そう書いていた矢先の8日、「豊昇龍が左膝の腫れで稽古を休んだ」と報じられた。立浪親方によると、「半月板が割れていて、水がたまりやすい状態」だという。ずっと付き合っているケガとはいえ、黄信号が灯ったと見るべきだろう。大の里も、7日に佐渡ヶ嶽部屋に出稽古に行き、大関・琴桜と三番稽古を行い、7勝10敗。「最初の12番は2勝10敗だった」と聞かされると、やはり左肩脱臼のケガの影響は否めない。開幕直前にまだ全体のパランスが悪いとなれば、場所に入ってから感触を掴んでいくしかない。前半戦を無難に乗り切れるかがカギになる。さてそうなると、疲労こそあれ、目立ったケガのない安青錦が優勝候補に浮上してくる。もし数々のマイナスデータを覆して安青錦が優勝したら、いよいよ大の里との《大安時代》の幕開けが近づくだろう。
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