“贅沢税”だけで「267億円」を支払うドジャース…「オールスター級の戦力」を誇る金満球団が背負った“1500億円”超の後払い
チームはオールスター級
CBTの課金対象となる条件は一つだけではない。あらかじめ定められた額のさらにもうひと段階上のラインをこえると、課税のパーセンテージも増える。ドジャースはその第2ラインも優に越えている。
「ドジャースのチーム総年俸とCBTを合わせると、5億8700万ドルを超えます。その約6億ドルを元手に考えると、ドジャースのCBTは28.9%。オールスターゲーム級の戦力を維持するため、最初からCBTを払うつもりで球団を運営している印象です」(前出・同)
メジャーリーグ全体に言えることだが、近年、選手と長期の大型契約を嫌うチームが増えてきた。しかし、ドジャースは本当に欲しい選手に対しては払っている。その一例がディアスだ。
「25年のドジャースの弱点は、絶対的なクローザーと強打の正左翼手の不在でした。メジャーリーグ全体の話をすると、クローザーは体力的な負担も大きいため長期間、好調さを持続できないと判断されており、球団側は短期契約で交渉を進めようとします。ディアスにしても好不調の波があります。好調だった翌年は不調、不調に終わった年の次は無双状態という周期をずっと繰り返してきました。3年の契約期間を提示できる球団はほかにあったかもしれませんが、6900万ドル(約107億1000万円)も払えるのはドジャースだけでしょう」(米国人ライター)
CBTを設けた本来の目的は戦力の均衡化だ。大都市を本拠地に持つ一部の球団に戦力を集中させないためのペナルティだが、ドジャースはそれを払い続けるビジネススタイルも確立させてしまった。
米野球サイト「Baseball Reference」が昨年末に公表したデータによれば、25年のドジャースタジアム全81試合の平均観客数は4万9537人。無観客・短縮シーズンとなった20年を除いて、13年シーズンから12年連続での30球団トップである。また、その1試合平均の観客動員数を24年と比べてみると、「プラス880人」。30球団トップを走り続けた12年間で前年比マイナスとなったシーズンもあったが、22年以降は上昇している。
「大谷、山本、佐々木の日本人トリオが注目されたこと、日本酒、焼酎などの日本食コーナーも好評でした。24年オフに球場の大掛かりな改修工事があったので地元ファンの関心も高かったようです」(前出・現地記者)
ドジャースの強さは「カネ」
人気選手を獲り続けることは、集客力を高める一因にもなっている。その点においても、新加入のディアスは貢献してくれそうだ。メッツ時代、ミュージシャンのティミーの代表曲である「Narco」で登場し、ファンは玩具のトランペットを左右に振るなどして大いに盛り上がっていた。この登場パフォーマンスは引き継ぐ予定で、「ドジャース版Narco」を楽しみにしているファンも多いそうだ。
「ディアスの3年6900万ドルの年俸ですが、うち1350万ドル(約21億円)が後払いになります。年俸の後払いと言うと、大谷翔平が97%を契約終了時にまわしたことが有名になりました。でも、大谷加入前のフリーマン、ベッツらも年俸の一部を後払いにしており、今回のディアス加入でその累計は11億ドル(約1721億円)まで膨れ上がってしまいました。一番多く払うのが38年と39年の1億230万ドル(約159億円)です」(前出・米国人ライター)
10億ドル以上の後払いが解消されるのは2047年だと推測されている。1億ドル以上の後払いとなれば、CBTとほぼ同額だ。数年後からドジャースは2倍のCBTを払うことになるが、これからも人気選手を高額でかき集めていけば、「後払い」の支払い期間も長引いてしまう。
ドジャースの強さはカネで成り立っている。
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