ファン感謝祭で阿部監督に「お前がやめろ!」とヤジが飛ぶ巨人の異常事態…背景には2025年に巨人ファンを動揺させた「2つの衝撃的なニュース」
桑田退団がファン心理に与えた影響
一方、阿部監督の続投を支持するかどうかを巡っては厳しい意見が多い。《起用法に対して巨人の選手からの不満が続々と出てくる(略)まじで責任取ってくれ阿部監督》、《勝てなかった責任は監督が100%背負うのが道理》、《独裁政権的な阿部監督の監督辞任と球界からの引退を求めます》──。
さらにオコエ瑠偉がファンフェスタに姿を見せなかったことも注目を集めた。間もなく電撃退団が発表されると、オコエと阿部監督の確執疑惑も報じられた。この件についても巨人ファンの間では議論が巻き起こっている。
野球解説者の広澤克実氏は1995年から1999年まで巨人でプレーした。当時の監督は長嶋茂雄氏だった。
「ヤジがマナー違反かどうかという問題は一度、脇に置きます。その上で、まずは長嶋茂雄さんが6月3日に亡くなられました。この重要な年に巨人は優勝できなかったという結果があります。次に10月28日に2軍監督を務めていた桑田真澄さんが巨人を退団すると発表がありました。桑田さんは『1軍が優勝できなかった』ことを退団の理由に挙げましたが、一部のメディアは阿部監督と桑田さんの間に確執があったと報じたのです。桑田さんには同情が集まり、阿部監督をワンマンと批判するファンは相当な数に上りました。この2点がヤジに影響を与えた可能性があるのではないでしょうか」
ただし広澤氏は「巨人が3位に終わった全ての責任が阿部監督にあるかと言えば、そんなことはあり得ません」と言う。
強いチームは一日にして成らず
「阪神は2023年に日本一、24年にリーグ2位、25年にはリーグ優勝を果たし、好調なシーズンが続いています。しかし“強い阪神”は一日にして成ったわけではありません。どんな名監督でも弱いチームを率いて優勝することはできません。チームを強くするためにはスカウティング、ドラフト会議での戦略、獲得した選手をどう育てるか……などと、多くのスタッフが様々な仕事で成果を出す必要があります。要するにチームの成績は編成の責任も大きいはずなのです。スタメンを見て、『阪神より強い選手が揃っている』と頼もしく思える巨人ファンは少ないでしょう。しかも来季、主砲の岡本和真選手はメジャー挑戦で不在なのです」
第2回【「阪神独走」を許した巨人の惨状は「阿部監督だけの責任じゃない」…元巨人4番が語るフロントの抱える問題「球団を牽引した2人の死去も影響している」】では、なぜ巨人は阪神より見劣りするチームになってしまったのか、広澤氏は2人の“傑出した人物”が亡くなったことが大きいと指摘する──。
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