J1初昇格「水戸ホーリーホック」を悩ませる“金欠”問題 「スタジアム建設が暗礁に乗り上げ…」

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有名選手を雇えない

 サッカーJ2リーグで水戸ホーリーホックが初優勝を果たし、クラブ初のJ1昇格を決めた。創設31年目での昇格は史上最も遅い記録である。

 サッカーライターいわく、

「約12億円の年間予算はJ2でも最低クラス。金欠で、2019年には社員への残業代未払いも発覚した。有名選手や外国人を雇えないので、常に若手主体のチームになっています」

 最終戦のスタメンの平均年齢は23.8歳だった。

 もっとも、

「育成には定評があり、古くは田中マルクス闘莉王、最近は前田大然や小川航基など、後に日本代表となる選手が輩出しています」

 厳しい環境ゆえ、監督やコーチも鍛えられる。

「非力な戦力でいかに勝つか、あらゆる戦術を研究し、胆力も備わる。今季J1所属クラブの監督20人のうち水戸出身者が4人もいるのはその証左でしょう」

スタジアム建設費用は約150億円

 来季J1での奮闘が楽しみだが、懸案もある。

“スタジアム問題”だ。

「現スタジアムの収容人員は約1万2000人で、J1基準の1万5000人を満たしていません。今回は条件付きで昇格が認められましたが、今後3年以内に計画書を提出し、5年以内に基準を達成しないといけません」

 少なくとも150億円を要するとされるスタジアム建設の裏では、地元自治体との確執が見え隠れする。

「以前、J1基準を満たす客席増設について水戸市が支援を申し出て、改修に関わる予算を計上したことがありました。ところがその後、クラブが市に説明なく“自前で新スタジアムを建設する”と表明したのです」

 しかし計画は、コロナ禍と資材高騰のため暗礁に乗り上げてしまう。

「困ったクラブは改めて市に支援を要請しましたが、過去の不義理のせいで市側がへそを曲げているのです」

 経営陣も試練を乗り越えてほしい。

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