後輩思いのあらわれ? 「阪神・近本」ロングラン交渉の本当の狙い 「残留は早い段階から決まっていた」

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近況報告にヒント

 近本は残留を決定した理由について、次のように明かしている。

「やっぱり甲子園で7年間やってきて、ファンの方だったり、その歓声であったり、その中で野球するっていう素晴らしいことを、それをこれからも続けたい。その中で楽しく野球したいなという風に思いました」

 球団は近本と水面下で交渉を重ねてきた。双方の関係はどういったものだったのか。

「相思相愛というのが正しいのかわかりませんが、双方、他に選択肢がなかったのは間違いありません」

 と、スポーツ紙デスク。

「球団提示が5年20億円で、それに近本が不満を示したのが10時間ロングラン交渉の理由などと一部で報じられましたが、それもありません。“傍証”にもならないかもしれませんが、近本のインスタグラムにチラッと告知文言がありました。近況報告として書籍を出版予定とのことです。彼のポッドキャスト番組“チカブレンド”の中身をまとめたものと聞いていますが、FA前提なら球団が変わることもあるためその種の仕事は保留していたはずなので、その点からも阪神残留は既定路線でした」(同)

交渉ではなかった

 事前交渉がうまく行き、条件面での行き違いもないのならもっとスムーズに残留宣言があっても良かったのではと思わないでもないが、その点はどうなのだろう。

「FAは選手の権利で、近本のように影響力の大きな選手がすんなりと早い段階で結論を出してしまうと後に続く世代が動きにくくなる。そのため、“熟考を重ねている”という体にしていたと見られています。10時間も“交渉”はしておらず、せっかくの機会だからあれこれと多岐にわたる“意見交換”をしていたのが実態でしょう。それにしても10時間は長いですよね(笑)。近本は自ら軸となって立ち上げた社団法人での活動やトレーニング法、普段の考え方までとにかくユニークなことで知られます。今回の”タフ・ネゴシエイター”演出も彼のアイディアなのか、そこまでわかっていませんが」(同)

 周辺の騒ぎをよそに当事者らは極めて冷静だったということになるだろうか。

デイリー新潮編集部

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