センターは「あっちゃんかな、たかみなかな」 AKB48“最初の卒業生”が明かす「1期生」の素顔
どんぐりを拾って…
合格者だけが隣の部屋に移動し、今後の話を聞きました。その場で、デビューメンバーが20人くらいだとわかりましたね。その後、レッスンを受けていく中で、現実的な厳しさや親の反対などで、デビュー前に何人か辞めていく子もいました。
レッスン期間は3か月程度だったと思いますが、ほぼ素人だった私には大変でしたね。ダンスも歌も経験がなく、振り付けを覚えるのもかなり苦労しました。レッスンは夏さんのお弟子さんが主に来てくださっていて、立ち位置を決めるときなどは夏さん本人が必ず来ていました。
プロジェクトの初期段階であったため、秋元康さん自身がメンバーたちの雰囲気を見て曲を書き、歌詞や歌割りを決定していました。ほぼ毎日レッスンがありましたので秋元先生が現場に顔を出すのは、節目に限られていましたが、言葉一つ一つが、グループの方向性を決定づけるので、非常に緊張感がありました。
デビュー前のメンバーたちは、みんなが「本当に大丈夫なのかな」「私たちデビューできるのかな」と不安を感じている状態でした。小中学生のメンバーは特にまだまだかわいい子どもで外イベントの待機時間にはどんぐりを拾って投げ合っていたのを覚えています。
メンバー間にはライバル意識のようなものはなく、「私たちは大きなプロジェクトの最初のメンバーだから、みんなでがんばろう」という意識でやっていましたね。
センターに立つのはみなうっすらとわかっている感じでしたね。あっちゃん(前田敦子)かな、たかみな(高橋みなみ)かなとか。中学生組が真ん中で、その周りをパフォーマンスができる高校生組がかためるというフォーメーションでしたね。
ただ、私はデビューする前から、年齢が1つ上のマネージャーには「辞めたい」とずっと伝えていました。レッスンについていけない、振り付けも歌詞も覚えられない、ステージの移動も分からない、と訴えていたんです。
「全て未経験でこの年齢の私には無理だと思う、本当に」と。
マネージャーからは「デビューしたら気持ちが変わるかもしれないから」と言われ、そのままデビューしたのですが、「辞めたい」という気持ちは常に心のどこかにありましたね。
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第1回【「ちっちゃいけどナイスバディの…」AKB48“最初の卒業生”が作った「長めの自己紹介」】では、宇佐美さんが現在の仕事やメンバーだった当時について振り返っている。
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