筋金入りの「ロシア諜報部員」とバーで密会…「海自スパイ事件」自衛官逮捕の決定的瞬間 「別々にテーブル客が一斉に立ち上がって」
最初から諜報部員だとわかっていた
捜査本部の調べによると、この1年間で2人の密会は13回。都内の居酒屋やすし屋、中華料理店などで会っていた。が、Aが受け取った自衛隊の内部情報の提供料は30数万円。国際スパイ事件にしては、スケールが小さいのである。あげく、この9月9日には、相手のボガテンコフはさっさと帰国してしまった。
逮捕されたAは防衛大の修士課程時代、自衛隊横須賀基地にロシア軍ミサイル駆逐艦が入港した際の歓迎セレモニーに通訳として出席。すぐにボガテンコフと親しくなったという。が、同時に警察からもマークされた。
神奈川県警の公安担当者が打ち明ける。
「内偵捜査は、すでに昨年9月の横須賀基地のセレモニーから始めていた。ボガテンコフがGRU所属の諜報部員だとわかっていたので、神奈川県警外事課の捜査員がパーティで彼が接触した人物を軒並み写真撮影。ボガテンコフの尾行をするうち、Aとの接点が浮かび上がったのです」
前述の通り、捜査本部が確認した2人の密会は13回。一体、ロシアはAからどんな情報を手に入れようとしたのか。
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「渡った資料に機密資料はありません」――専門家たちは「大騒ぎするほどの問題ではない」との見解を示した。第2回【「海自スパイ事件」で“ロシアが欲しがった情報”とは マスコミ大騒ぎでも実は「極秘でも何でもなかった」理由】では、渡った資料の詳細や受け取った金額、Aが“泳がされていた可能性”などを解き明かす。
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