「冷凍庫の電源が落ちた」「駐車場所を忘れた」人的ミス連発で善意の献血を無駄に…さらに隠蔽までしようとした「日本赤十字社」のヤバすぎるガバナンス
炎天下の中、献血が入ったクーラーボックを台車に乗せて…
8月16日午前。JR大森駅前の献血バス内には、猛暑の中で39人の協力者が駆け付けた。39人の「善意」は献血血液として、江東区の血液製剤の製造所まで運ばれ、患者を救うはずだったが、叶わなかった。今度は搬送業務を担う外部業者の担当者が、「自分が乗ってきた搬送車両を駐車した場所を忘れてしまった」という意味不明な理由でまたもや無駄にしてしまったのである。
「担当者が高齢者だったようで、台車にクーラーボックスを乗せたまま数時間、街の中を彷徨ってしまったのです。受ける側も未着に気づきながらも担当者の連絡先がわからず、指を咥えて待つのみ。通常は1~2時間程度で製造所に届けられるところ、最大で約7時間の遅延が生じてしまった。東京都赤十字血液センターは患者の安全面を考慮し、品質が保証できないとして、献血血液の破棄を決定しました」(同)
記者会見もなし
日赤は、この不祥事については8月28日に公表した。だが、東京都赤十字血液センターのホームページ上で小さく事案について載せたのみ。なぜ搬送遅延が起きたかなどへの言及は一切なく、責任者が記者会見を開くといった対応も一切取っていない。
「本来は部長級の責任者が表に出てきて、丁寧に説明して謝罪すべきところでしょう。発生から10日以上経過してからの公表も遅すぎです。協力した39人には電話や郵送で謝罪をしているようですが、5月の反省が全くいかされていない」(同)
定期的に献血に協力しているという東京都在住の40歳代男性は次のように憤る。
「献血に熱心だった母の影響で20代の頃から続けています。渡航歴を確認するアンケートに答えたり、血圧測定や医師の問診などもあって、長いときは2~3時間かかりますが、誰かのためになればという思いでやっています。そんな善意が無駄にされていた可能性があると思うと信じられない気持ちです」
2つの不祥事は氷山の一角だった可能性もあるのではないか。日赤は唯一の採血事業者として責務の重さを再認識した上で、管理体制を根底からチェックし直すべきである。







