「噂のギャル社長のメールだよ」「日本語、変だよね」 ガングロ、ド派手メイク…19歳を襲った誤解と偏見

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田んぼや畑を守りたい

――それが、農業プロジェクト「ノギャル」につながっていくのですね。

 農家の実情を知らなかったので、自分で畑をやったり田んぼをやったりしてきました。高校生とコラボ商品を作る機会があって、そのときに話してみると、農業高校の生徒には本当に熱い思いがある。

 私は都会にいたので、「地方の若者は東京や都心に出たいのかな」と勝手に思っていたんです。でも、意外とそうではなくて、「地元を盛り上げたい」「地元のために貢献したい」「じいちゃん、ばあちゃんの田んぼや畑を守りたい」って思っていて。なんていい子たちなんだろうと思いました。

――それが「うまいもん甲子園」につながっていったんですね。

 若い子たちにスポットライトを当てることができたら、きっと周りの大人も元気になるし、そうすることで地元も元気になるし、地方が元気になれば日本も元気になる。そういうところから始めました。「うまいもん甲子園」も今年で14回を数え、周りからすごいと言われるようになりました。

――今や、米問題は大きな話題になっていますが、この令和の米騒動をどんなふうにご覧になっていますか。

 私が作った「シブヤ米」は、秋田県大潟村の米が元になっています。農業で食べている人の多い大潟村では「減反制度」に反対していました。今になって「あの考えはすごい」と分かるようになりました。

 反対している当時は「担い手がいないならそうせざるを得ないのでは」と思ったけど、今の状況を見て「やっぱりそうだったな」と実感しました。私にも息子がいるので、米の大事さを改めて感じます。

――ところで、今はギャルメイクではないですね。

 自分では「辞めた」というつもりは全くなくて、好きなことをしていたら「ギャルじゃなくなった」だけという感覚です。メイクは時間がかかるのでどんどん薄くなりましたが、肌を黒く焼くのは今でも好きですよ。

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 第1回【19歳で起業した「ギャル社長」の今 40歳でも変わらない経営者マインド「一度決めたらやるしかない」】では、現在の活動について語っている。

藤田志穂(ふじた・しほ)
1985年、千葉県出身。10代でギャル雑誌の読者モデルとして活動後、19歳でマーケティング会社「G-Revo」を起業し、“ギャル社長”として注目を集める。以降、アーティスト活動や「ノギャル」「ご当地!絶品 うまいもん甲子園」など、若者・食・地域をつなぐプロジェクトを数多く手がける。現在は全国食の甲子園協会会長、Office G-Revo相談役として、食育や地域活性、人材育成を軸に活動している。

デイリー新潮編集部

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