植田和男総裁が拭えない「過去の手痛い失敗」…日銀の利上げがあまりに慎重すぎる、その意外な理由とは
夏の日銀金融政策決定会合を受け、市場では秋もしくは年内の「利上げか」と楽観論が広がっている。しかし、日銀内部を探っていくと、そうした楽観論とは裏腹とも言える植田和男総裁の「基本戦略」が浮かび上がる。「拙速な利上げか」「見送りか」――。ハト派色の強い植田日銀の利上げ再開時期を探る。【白戸裕一/ジャーナリスト】
7月末に開催された日銀金融政策決定会合は、金融市場の期待に反してハト派色の強いものとなった。同会合で公表された「展望リポート」は、日米関税交渉の合意を受けて経済・物価判断を前進させたものの、肝心の植田和男総裁の記者会見は、終始、利上げに慎重な姿勢を崩さなかった。...

