辞める気ナシでも“絶体絶命”の石破首相が窮地を乗り切るシナリオは「小泉進次郎幹事長」と「クーデターが起きた維新との連立」
小泉氏にとって悪い話ではない
小泉氏が引き受ける可能性はあるのか。
「決して悪い話ではないと思います。彼はポスト石破の最有力候補ですが、あえて少数与党に転落している今ババを引きに行く必要もない。どうせいつかは総理をやれると考えれば、ここで一回重要ポストを経験しておいた方が得策とも言えます。幹事長さえ固まれば、一度は石破氏を見限った元石破派の斎藤健氏に頭を下げて総務会長などをやってもらうなどして凌げなくもありません。反石破勢力を除外しても、党内では冷飯を食わされ続けてきて、ポストを欲している中堅・ベテランは少なからずいます」(同)
ただこうして党内人事や内閣改造を切り抜けたとしても、もう一つの大きな壁が立ちはだかる。衆参ともに少数与党に転じてしまった国会運営である。
「このままでは前の国会で、国民民主には年収の壁引き上げ、維新とは高校無償化などといった餌をぶら下げたように、全方位外交を展開していかなければなりません。ただこんな調子で野党の要求にハイハイと従い続けることは財源がいくらあっても足りないので物理的に不可能です。このままでは法案が全く通らなくなる可能性もある」(別の政治部デスク)
どこか野党を抱き込まない限り、いつかは国会運営で必ず行き詰まってしまうのである。可能性のある野党がどこも石破政権とは組まないと公言している中、いったいどこと組めるのだろうか。
「国民民主とは、前国会でガソリン暫定税率廃止の議論で揉めたことが尾を引いて、距離が出来ている。国民は参院選の台頭で勢いづいており、向こうの方が石破政権にすり寄るメリットがない。立憲民主とは色が違いすぎるし、参政党も過激すぎて組むのは難しい。唯一頼れる可能性がある野党は日本維新の会です」(同)
維新は参院選で目標議席は確保できたものの、比例票をかなり減らしてしまって苦しい状況にある。自公と組むことは、再浮上を狙うチャンスになるというのだ。
維新の「クーデター」で好機に?
この展開に追い風となっているのは、維新内で起きている「内部抗争」だという。4日、前原誠司氏共同代表ら幹部4人は参院選の不振の責任を取って引責辞任する意向を吉村洋文代表に伝えたが、
「これは事実上のクーデターとみられています。現執行部は遠藤敬氏、馬場伸幸氏ら旧執行部と仲が非常に悪いのです。旧執行部は森山さんとツーカーの仲。クーデターが成就して旧執行部が息を吹き返せば、連立とまではいかずとも協力関係を築ける可能性があります」(同)
はたしてこんな都合のいい綱渡りが可能なのか。いずれにしろ、続投に意欲を燃やしている石破氏は何らかの打開策を胸に秘めているのだろう。今月末、石破氏が試練の時を迎えることだけは間違いなさそうだ。






