夏の甲子園出場校「外人部隊」を独自調査 まさかの「ベンチ入り地元出身者ゼロ」の2校とは

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 いよいよ第107回全国高等学校野球選手権大会、夏の甲子園が8月5日に幕を開け、地方大会を勝ち抜いた49校が全国3680校3396チームの頂点を目指して争う。高校野球ファンといえど1回戦は地元の高校を応援する人が多いだろう。もっとも、そのチームがあなたと同じ都道府県の出身選手ばかりとは限らない。

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 地元出身選手が少ないチームのことを、高校野球ファンはこう呼ぶ。“外人部隊”。それを責めるつもりは毛頭ない。学校側は甲子園で名を挙げることができれば大きな宣伝効果が見込めるのだから、よそから優秀な選手を引っ張ってきたほうが手っ取り早い。甲子園出場が目標の選手ならば、他県の学校でもいいという生徒もいるだろう。そこまでしても出場したいと思わせるのが甲子園なのだ。逆に外人部隊の多いチームであっても、その中の地元選手を応援したいという人もいるだろう。

 そこで、夏の甲子園を主催する朝日新聞社の子会社・朝日新聞出版が発行する「AERA増刊 甲子園2025 第107回全国高校野球選手権記念大会」を参考に、全選手の出身中学を調査した。データはベンチ入りする20人の選手を基準に外人部隊が多い順とし、同率の場合はレギュラーに地元出身者が少ないほど上位にしている(※編集部註:甲子園大会の出場選手が替わることもある)。

 外人部隊率の高いチームのベスト7を挙げていこう。

●第7位:京都国際(京都):90%(外人部隊18人)

 昨年夏の甲子園で京都府勢では68年ぶりとなる全国制覇を成し遂げた2004年開校の私立の中高一貫校。前身が在日韓国人向けの民族学校だったため、校歌が韓国語であることが話題となった。それゆえ7位であることを不思議に思う方もいるかもしれない。同校は03年に日本の中学高校として認可され、翌年から日本人も入学可能となった。男子生徒の多くは野球部員で、ほとんどが日本人という。18人の“外人部隊”はすべて他県中学の出身者で、レギュラーの地元選手2人は公立中学校の出身だ。

通信制高校も

●第6位:聖隷クリストファー(静岡):90%(外人部隊18人)

 甲子園初出場だが、コロナ禍で大会が中止された20年夏の静岡県独自大会で優勝、21年秋の東海大会では準優勝、22年春の選抜出場は確実と見られたが選出されなかった。昨年夏の県大会の決勝では掛川西に敗れ、満を持しての出場だ。1966年に設立された私立のキリスト教系中高一貫校で、校長は野球部の監督を兼務する上村敏正氏。昭和から平成にかけて浜松商業を春夏7回の甲子園に導いた実績の持ち主だ。レギュラーに地元中学の出身者はいない。

●同率3位:山梨学院(山梨):95%(外人部隊19人)

 23年春の選抜で全国制覇を果たした強豪校。春夏連続の出場となるが、夏の甲子園は3年ぶりだ。山梨県勢の夏の最高成績はベスト4止まりで、初の優勝を目指す。1956年に山梨学院短期大学の附属高校として開校した私立高校で、95年から中高一貫校に。19人の外人部隊は北海道から東北、関東、中部、関西、四国まで広範囲に及ぶが、レギュラーに地元選手はいない。152キロの直球を放つ右腕の菰田陽生は千葉出身で、左腕の檜垣瑠輝斗(愛媛出身)とのダブルエースとの呼び声も。打線も強烈で、県大会でのチーム打率は4割近く、チーム本塁打6本は大会本塁打の半分を占めている。

●同率3位:未来富山(富山):95%(外人部隊19人)

 正式な校名は未来高等学校富山中央学習センター。学校法人河原学園(愛媛)が運営する通信制の未来高校のサポート校として18年に開校、同時に野球部も創部された。通信制高校であるから各地から生徒は集まるが、全校生徒24人のうち23人が野球部に所属し、市内の寮で生活している。自前のグラウンドはなく、近隣の町営・市営グラウンドを借りて練習しているのだとか。県大会では1回戦から決勝まで相手に一度もリードされることなく優勝。創部8年目にして甲子園初出場である。

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