野球ファンの期待と不安が高まる「藤浪晋太郎」のNPB復帰 阪神OBは「ポテンシャルは今も群を抜いている」と断じるも、気がかりは「もしも甲子園で…」
先発か中継ぎか
具体的な対処法としては、DeNAコーチ陣の指導を受けながら、個人的に教えてくれるコーチを、八方手を尽くして探すべきだという。
「気になるのは、最近のプロ野球ファンは死球に厳しいことです。ホームチームの選手に相手チームの投手が死球を与えると球場は騒然となります。投手は帽子を取って謝り、下手をすると翌日に菓子折を持って再び謝罪しなければなりません。野球に死球は付きものですし、打者が1塁に進塁することで投手に“罰”は与えられているはずです。ところが投手が非常に悪いことをしたと批判するファンが日本では増えてきました。こうした時代の変化が、藤浪くんの逆風にならないか心配です。例えば甲子園で阪神の打者に死球を与えたり、危険球を判定されたりすると、阪神ファンがどう反応するか……。最悪の場合、さすがの藤浪くんも精神的なショックを受け、投球がおかしくなる懸念があります」(同・広澤氏)
先発か、中継ぎか、クローザーかという点も注目を集めている。7月18日に開かれた入団会見で藤浪は「自分は長いイニングも短いイニングも両方できると思っている」と、チームの指示に従う姿勢を見せた。
「藤浪くんは球種が豊富です。先発に向いていると思いますし、ファンも本来であれば藤浪くんが先発して三振の山を築くことを期待しているのではないでしょうか。ただし、100球を投げると握力が落ち、与四死球の確率が上がるはずです。中継ぎなら基本的には1イニングで17、18球を投げれば済みます。球数が少ないほど与四死球の確率は減ると考えられます。DeNAが安全策を取るなら、やはり中継ぎということになるのではないでしょうか」(同・広澤氏)
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