迷走を続けるコンビを象徴するような異例の報告 「はんにゃ.」は本格志向のコメディアン
一点突破のネタ
はんにゃ.の最大の魅力は、金田がネタ中に見せる大げさで派手な動きである。彼らの代表的なネタに「ズクダンズンブングンゲーム」というのがある。これは、金田が川島に対して「ズクダンズンブングンゲーム」という遊びをやろうと提案するというもの。そんなものは知らないと言う川島に対して、金田は「ズクダンズンブングン」というフレーズを唱えながら妙なダンスを突然始める。ほとんど金田の動きだけに頼った一点突破のネタだが、これで大きな笑いが起こるのだからすごい。金田のコメディアンとしての身体的表現力のレベルは高い水準にある。
当時、番組内で彼らのネタを見たビートたけしが感心したような様子で「昔のコント55号ってこんな感じだったんだよ」と語っていたこともあった。ドタバタした派手な動きで笑いを取るのは昔からある手法だが、最近の若手芸人の中ではそういうタイプのネタを演じる人はあまり見かけない。はんにゃ.は、コント55号以来、日本演芸界に久しぶりに現れた本格志向のコメディアンだったのかもしれない。
だが、その後の彼らは厳しい道を歩むことになった。2~3年でブームは収束してしまい、レギュラー番組もどんどん減っていった。コンビとしての仕事もなくなっていき、苦境に立たされた。2023年にはコンビ名を「はんにゃ」から現在の「はんにゃ.」に改めた。
苦しい状況に変わりはないのだが「結婚と離婚の同時発表」という突飛な行動で一時的にでも注目されたのは、彼らにとってはラッキーだったのかもしれない。金田の見た目や動きの華やかさは今でも失われておらず、それを武器にしてここから再ブレークする道は残されている。もう一度、彼らが時代の波に乗る日は来るのか。ここが一つの勝負どころだ。






