異例の「トリプル主演」が話題…嵐「相葉雅紀」が刑事ドラマの新たな主人公を確立するか
まずは好発進
俳優の大森南朋(53)、嵐の相葉雅紀(42)、松下奈緒(40)がトリプル主演を務めるドラマ「大追跡~警視庁SSBC強行犯係~」(テレビ朝日系)が9日にスタートした。テレビ朝日の刑事ドラマ枠(水9ドラマ)としては、相葉の事務所の先輩・東山紀之(58)主演の「刑事7人」以来、10年ぶりとなる新作となった。
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防犯カメラによる犯人追跡などを主任務とし、2009年に警視庁に新設された「捜査支援分析センター(SSBC)」に初めてスポットを当てた作品。木村拓哉(52)主演の大ヒットシリーズ「HERO」で知られる福田靖氏の脚本により、SSBCに新設された別班「SSBC強行犯係」の活躍を描く。
主人公3人のうち、大森は問題を起こして捜査一課からSSBCに異動した、強行犯係の機動分析担当・伊垣修二役。相葉は警察庁からSSBCに出向してきたキャリア組で、同じく機動分析担当の名波凛太郎役。伊垣は凛太郎の教育係も務める。松下は警視庁捜査一課の主任・青柳遥役。伊垣とは元夫婦で1人娘がおり、SSBC強行犯係とは捜査上密に関わる立場にあるが、やたら伊垣に厳しく接する。その3人の脇を伊藤淳史(41)、お笑いタレントの丸山礼(28)、相葉の事務所の後輩でHey! Say! JUMPの高木雄也(35)、光石研(63)、遠藤憲一(64)、佐藤浩市(64)らが固める。
「刑事ドラマで、主人公が3人というのは斬新な演出です。普通なら、人気・知名度がある相葉を主人公にして単独主演にするところですが、彼が1人で目立たないように、大森、松下とのセリフも出演シーンも絶妙なバランスになっています。テレ朝ではこの3月に、相葉の先輩・井ノ原快彦(49)主演の刑事ドラマシリーズ『特捜9』が終了しました。さらに東山紀之は『SMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)』社長として、故・ジャニー喜多川氏の性加害による被害者の補償業務にかかりっきりでタレント復帰のメドが立ちません。テレ朝としては、『SSBC』を新たな刑事ドラマシリーズに育てたいのです」(放送担当記者)
その期待の表れもあり、主題歌には地上波ドラマの主題歌を書き下ろすのが5年ぶりとなる、「DREAMS COME TRUE」の「BEACON」が起用されている。
相葉といえば、今期は嵐のメンバーである松本潤(41)主演のTBS日曜劇場「19番目のカルテ」、櫻井翔(43)主演の日本テレビ系「占拠シリーズ」の第3弾「放送局占拠」とのドラマ対決が注目されていた。
3作とも初回放送を終えたが、放送順に相葉のドラマの平均世帯視聴率は9.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)、櫻井は6.5%、松本は11.4%。となった。相葉のドラマは16日に第2話が放送され、初回よりも1.1ポイントダウンの8.6%。しかし、同時間帯放送の民放キー局の番組では、TBSの嵐・二宮和也(42)の冠バラエティー「ニノなのに」の8.2%を上回り、同時間帯トップの視聴率だった。
新しいタイプの刑事ドラマに
テレビ朝日局員によると、「SSBC」がこれまでの刑事ドラマと大きくことなる点として、
「うちの看板でもあった『西部警察』は故・渡哲也さん演じる団長。また、『太陽にほえろ』(日本テレビ)は故・石原裕次郎さん演じるボスが強烈なカリスマ性で、ほかの刑事たちをけん引しました。この流れは東山さん、井ノ原さんのドラマへと受け継がれ、主人公が強いリーダーシップでほかの捜査員を鼓舞して士気を高めます」
「あぶない刑事」(日本テレビ)や「相棒」(テレ朝)では、主人公の刑事が完全無欠のヒーローとして、数々の難事件を解決に導く。それに対して「SSBC」はというと、
「主人公3人の中でも、相葉さんはMCを勤めるバラエティー番組などでお茶の間の視聴者に“ゆるふわキャラ”が浸透しています。本作でもそれを踏襲したのか、いつも明るく天真爛漫で、スタッフの輪の中に入るので現場は和気あいあい。なので、うちのドラマが続いているし、相葉さんと一緒に仕事がしたいスタッフは多いのです。本作でもそんな性格を踏襲したのか、刑事らしくない刑事です。多くの刑事ドラマの主人公が持つ肉体的・頭脳的に“マッチョ”な要素があまり感じられません」(同)
第1話で凛太郎は、現場の張り込み中に犯人と対峙すると、ボコボコにされてメガネのレンズを割られてしまった。また、「SSBC」は容疑者と遭遇しても声をかけないように捜査一課から言われているが、凛太郎は「僕たちも刑事じゃないですか」と啖呵を切って容疑者に声をかける。そのせいで、初回も第2話も事態を悪化させてしまうが、大森らの尽力で事件が解決する。
「凛太郎は正直、かなりイタいキャラなのですが、そんなキャラでも経歴と血筋は“上級国民”という設定も面白い。一流大学を卒業後、外資系証券会社を経て、中途採用で国家公務員試験に合格して警察庁という、異色の経歴です。おまけに、伯父は佐藤さん演じる内閣官房長官にして元警察庁長官の久世俊介であることが初回で明らかになっています。しかし、凛太郎は自ら希望してSSBCに異動してきたわけではないといいますから、今後、本人の人間関係やなぜSSBCに異動したのか、伏線が徐々に明かされるでしょう」(前出・記者)
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