藤浪晋太郎らを緊急補強してもダメ!? DeNAが抱える“本当の大問題”

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険しい常勝チームへの道

 熊原健人(2015年2位)と水野滉也(2016年2位)は既に現役を退いているほか、浜口遥大(2016年1位、現・ソフトバンク)や上茶谷大河(2018年1位、前同)、伊藤裕季也(2018年2位、現・楽天)は他球団に移籍した。

 それに加えて、徳山壮磨(2021年2位)や吉野光樹(2022年2位)、松本凌人(2023年2位)、ルーキーの竹田祐(2024年1位)、篠木健太郎(2024年2位)も期待に応えることができていない。

 前出の編成担当者は、DeNAの若手について、こう語る。

「ルーキーは、こちらも当然、注目してチェックしていますが、前評判通りに即戦力で活躍できる選手はなかなかいません。DeNAが、近年ドラフトの上位で指名している大学生や社会人もそういうケースが多いですね。DeNAの球団関係者に聞くと、プロ入り前よりもパフォーマンスが落ちていることも多いそうです。どこに原因があるかは分かりませんが、大学生や社会人は、高校生に比べると戦力になるまでの“猶予期間”が短いことは確かです。即戦力として期待された選手は完成度が高い分、“伸びしろ”がそれほど残されていないケースも散見されます。そういうタイプの選手が、DeNAには多いのかもしれません……」

 松尾汐恩(2022年1位)や度会隆輝(2023年1位)が成長している点は救いだが、これだけドラフトの上位で投手を指名しても、一軍に定着している選手が少ないことは、かなり大きな問題だろう。

 スカウティングについて他球団にはない新たな試みが取り入れていると聞くが、果たして、それが機能する時はいつになるのだろうか。常勝チームへの道は、まだまだ険しいと言わざるを得ない。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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