ともに「国内組」で戦った日韓戦…日本代表の勝利に最も貢献したのはGK「大迫敬介」のビッグセーブだった

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 韓国・龍仁(ヨンイン)で開催されているEAFF E-1選手権も15日が男子の最終日。第1試合は中国がホンコン・チャイナを1-0で下して大会初勝利をあげた。そして第2試合、事実上の決勝戦ともいえる日韓対決は、韓国のホン・ミョンボ監督が第2戦の中国戦からスタメンを9人入れ替えた。【六川亨/サッカージャーナリスト】

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 森保一監督も初戦のホンコン・チャイナ戦のスタメンをベースに、GK大迫敬介と右ウイングバックに2試合連続して望月ヘンリー海輝を起用。招集した全26選手をピッチに送り出した。

 7月3日に夢フィールドで行われたメンバー発表の席でのこと。森保監督は「第2戦は初戦の結果を見てから考えたい」と言った。

 今回はフレッシュなメンバーだけに、初戦のスタメンが予想できない。そこで森保監督に「初戦のスタメンを教えて欲しい」と質問したところ、「六川さんならどうしますか?」と逆質問されてしまった。

 そのことを覚えていたのか、14日に韓国・水原(スウォン)で行われた練習を取材した際、森保監督から「スタメンはいいのですか」と聞かれたので、「教えてください」と返すと、笑いながら「2トップを採用するかもしれません」と煙に巻かれてしまった。

 結果として、ホンコン・チャイナ戦と韓国戦のスタメンが今回招集したメンバーでのベストチョイスということになるのだろう。

 韓国のキックオフで始まった試合は、開始5分に望月のドリブル突破から日本が右CKを獲得するなど、悪い立ち上がりではなかった。しかし前半7分、タテパス1本に左サイドを破られMFナ・サンホに独走を許し(オフサイド臭かった)、カットインから決定的なシュートを食らってしまう。

心地よい緊張感

 これは右ポストが防いでくれたが、一瞬の気の緩みを見逃さない韓国のしたたかなプレーだった。

 ところが1分後、日本はMF相馬勇紀の左クロスをFWジャーメイン良が落ち着き払った左足ボレーで決め、3試合連続しての先制点をマークする。ジャーメインの一撃は肩の力の抜けた、自然体での、ボレーシュートの見本のようだった。

 日本が先制したことで、韓国は攻撃のギアを一段上げた。1万8000人のファンによる「テーハミング」の大合唱に後押しされるように、自陣からパスをつないで攻め上がり、サイドチェンジで揺さぶっては攻撃の突破口をつかもうとする。

 これに対し日本は、両ウイングバックが下がる5BKでしっかりはじき返し、チャンスらしいチャンスは作らせなかった。

 その後、前半30分過ぎより互角のボールポゼッションになるも、お互いに決定機を作れず時間ばかりが経過する。

 後半は韓国が選手交代からリズムをつかんで攻勢に出るも、なかなか決定機は作れず、シュートやクロスが大きく上に外れるたびに、ファンのため息がスタジアムを包んだ。

 圧倒的なアウェー感のある試合は久しぶりなだけに、心地よい緊張感があった。そして後半、ホン・ミョンボ監督はFWオ・セフンやMFカン・サンユンら次々と高くて速い選手を送り出して反撃を試みる。

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