ともに「国内組」で戦った日韓戦…日本代表の勝利に最も貢献したのはGK「大迫敬介」のビッグセーブだった

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GK大迫の素晴らしい反応

 これに対し森保監督もFW細谷真大やMF佐藤龍之介ら前線にフレッシュな選手を起用。しかし両チームとも守備陣は安定しているため現状を打開することはできない。

 韓国のチャンスらしいチャンスは後半19分にスルーパスで右サイドを崩し、MFキム・ムンファンがフリーで抜け出す。

 しかしクロスはGK大迫が弾いたことでシュートには至らなかった。韓国にとっては試合を通じて2度目となるチャンスらしいチャンスだった。

 その後、日本はDF植田直通をウイングバックに抜擢して5BKによる守備固めに入る。これで勝負ありかと思ったが、最後の最後にビッグプレーが待っていた。

 前線に起用されたFWイ・ホジェがペナルティーエリア内で鮮やかなオーバーヘッドシュート。これに対しGK大迫が素晴らしい反応からシュートブロックに成功。彼のビッグセーブが日本に勝利をもたらしたと言っても過言ではないだろう。

 試合は1-0のまま終了し、日本はE-1選手権で初の連覇を達成(優勝は3回目)。対韓国戦は2021年3月に日産スタジアムでの親善試合で3-0、22年7月のE-1で3-0と勝っているので、これで3連勝ということになる。

 とはいえ、お互いベストメンバーではないだけに、こうした数字にあまり意味はないだろう。

日程をどう考えるか

 国内組でのチーム編成を余儀なくされるE-1選手権について森保監督は、

「韓国も日本も選手は海外で活動するなか、国内でどう成長するか。国内で素晴らしい戦いをしている選手が激しく、厳しく戦った。選手はこの代表活動を通してW杯に向けて本気でその場にいたいと思ってくれたことはうれしく思っている」

 とその意義を語った。難しい問題でもある。

 来シーズンからJリーグはシーズンのカレンダーが変わるため、E-1選手権の日程も再考する必要があるだろう。

 Jリーグの選手の底上げはもちろんだが、五輪世代の強化も急務なだけに、このE-1選手権をどう活用するか。今後も議論が必要ではないだろうか。

六川亨(ろくかわ・とおる)
1957年、東京都生まれ。法政大学卒。「サッカーダイジェスト」の記者・編集長としてW杯、EURO、南米選手権などを取材。その後「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。

デイリー新潮編集部

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