「オール国内組」の森保ジャパンがホンコン・チャイナを圧倒も…“物足りなかった後半戦”が中国戦の課題

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 韓国・龍仁(ヨンイン)市で7月7日に開幕した東アジアE-1選手権、日本は大会2日目の8日にホンコン・チャイナと対戦し、代表初招集のFWジャーメイン良が前半だけで4点を奪う活躍などで6-1と圧勝した。日本は4日後の12日に中国と、15日に地元・韓国と対戦するスケジュールになっている。【六川亨/サッカージャーナリスト】

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 今大会はFIFAの国際Aマッチデーではないため、“海外組”の選手を招集する強制力はない。しかし、たとえ招集が可能だったとしても、日本の森保一監督、韓国のホン・ミョンボ監督は久保建英やソン・フンミンを呼ぶことはなかっただろう。長いヨーロッパのシーズンが終わったばかりなだけに、選手を休ませることが最優先事項になるからだ。

 このため日本は全選手が“国内組”で、韓国は“国内組”に“Jリーグ勢3人”を加えてのチーム編成となった。こうした日韓の代表を中国メディアは「3軍チーム」と不満を漏らしたものの、中国は初戦で韓国に0-3で敗退。そしてホンコン・チャイナも日本に大敗して早くも優勝争いから脱落した。

 正直なところ、日本のJリーグや韓国のKリーグと、中国とホンコン・チャイナの国内リーグはレベル差が歴然としている。中国のクラブはACLEでは健闘しているものの、それは高額で招いたブラジル勢の強力助っ人がいるからに他ならない。

 それを白日の下にさらしたのが今大会でもあった。

 森保監督はスタメンに代表初招集の6人(GKピサノ・アレクサンドレ幸冬堀尾、CB安藤智哉、MF宮代大聖、久保藤次郎、FWジャーメイン良、垣田裕暉)を送り出した。

ジャーメイン良のビューティフルゴール

 その理由を指揮官は「できればすべての選手にピッチに立ってもらいたいし、さらなる成長につなげてほしい」と明かした。そしてその言葉通り、ピッチで躍動したのがジャーメイン良だった。

 開始4分に相馬勇紀の左クロスを胸トラップから鮮やかな左足ボレーで突き刺し先制点を奪う。このゴールシーンは2011年にカタールで開催されたAFCアジアカップ決勝のサウジアラビア戦、李忠成の左足ボレーによる決勝点を彷彿させるビューティフルゴールだった。

 ジャーメイン良はその後、10分、22分、26分と22分間に4ゴールの荒稼ぎ。巧みなポジショニングからヘディングで2点目を決めれば、22分には流れるようなワンタッチパスの展開からフィニッシャーになり、冷静に流し込んでハットトリックを達成した。

 ちなみに代表デビュー戦でのハットトリックは若林竹雄、平山相太、小川航基に続く4人目の快挙だ。

 前半のゴールラッシュで、3年前の同大会におけるホンコン・チャイナ戦のスコア、6-0を更新するのは時間の問題かと思われた。

 ところが後半は4人の代表初キャップ(DF望月ヘンリー海輝、MF大関友翔、FW山田新、中村草太)と、1試合出場のMF佐藤龍之介を交代でスライド式にピッチに送り出すと、日本の攻撃はノッキングを起こして相手ゴールに迫ることができない。

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