パ・リーグ6球団、後半戦期待の“上積み戦力”は誰になる!? 日本ハム&オリックスは「高卒投手」、ソフトバンクは「育成出身の遅咲き」

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 間もなくシーズンの折り返しを迎える今年のプロ野球。7月末まではトレードなどの補強も可能となっているが、それ以上に重要なのが既存戦力の底上げではないだろうか。現在故障で離脱している主力や、成長著しい若手など、後半戦に戦力としての上積みが期待できる選手を探ってみたい。今回はパ・リーグの6球団についてだ。【西尾典文/野球ライター】

面白い存在

 現在首位を走り、2016年以来のリーグ優勝、日本一への期待が大きくなっている日本ハム。ここまでいずれもリーグでダントツトップの14完投、6完封を記録しているように先発投手陣の活躍が目立つが、このまま全員がシーズン最後まで調子を維持するのは難しいのではないだろうか。

 今年から台湾の球団から移籍して、大きな成長を見せていた古林睿煬は、6月3日の阪神戦で左わき腹を痛めて長期離脱となり、今後ローテーションの見直しが必要となってくる可能性は高い。そこで期待したいのが、高卒4年目の福島蓮だ。

 八戸西時代は3年春に21世紀枠で選抜高校野球に出場し、2021年の育成ドラフト1位で入団。昨年はキャンプからアピールを見せて3月に支配下登録を勝ち取ると、12試合に先発して2勝をマークした。日本ハムの球団関係者は、“素材の良さ”についてこう話している。

「入団してきた時は本当に体も細かったですが、トレーニングへの意識も高くて1年目から驚くほど成長しました。将来や故障のリスクを考えて少し慎重に起用してきましたが、他の球団だったらもっと早く使われていたかもしれませんね。今年一軍で活躍している達孝太と比べてもポテンシャルの高さは遜色ないと思います。今は一軍の先発が好調なのでなかなか声がかかりませんが、後半戦はどこかで昇格する可能性も高いでしょう」

 今シーズンはここまで一軍昇格はないが、二軍ではチームトップのイニング数を投げて2勝をマークし、防御率は2点台と安定した投球を見せている。チームの将来を考えても、若い福島が先発に定着することは極めて大きなプラスになると言えるだろう。

 昨年の5位から一気に優勝争いに加わるV字回復を見せているオリックス。チーム打率はリーグトップと打線は好調だが、その一方で、チーム防御率は5位と投手陣に課題を残す。

 特に、不安なのが故障での離脱者が多いリリーフ陣で、5月末に中日からトレードで岩嵜翔を獲得して補強を図っているとはいえ、優勝を狙うにはさらなる上積みが必要だ。

 そこで面白い存在になりそうなのが、東松快征だ。今年は高卒2年目ながらキャンプ、オープン戦でアピールして開幕一軍入り。登板がないまま登録抹消となり、5月9日のくふうハヤテ戦では守備で転倒して降板するなど心配されたが、順調に回復し、ここまで10試合に登板して防御率0点台と見事な成績を残している。

 左腕から繰り出す150キロ前後のストレートは威力十分で、課題の制球力も着実に改善している印象だ。将来を考えて先発として育てるべきという声があるが、山本由伸(現・ドジャース)も中継ぎで実績を残してから先発に転向している。東松も、まずはリリーフで一軍を経験することも、一つの選択肢ではないだろうか。

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