「メディアが悪い」“言い訳”に読売記者もヒートアップ 石丸伸二氏の「絶対に自分の非を認めない敗戦の弁」実況中継

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とことんメディアに責任を押し付ける

「難しい質問ですね。そう思わせている節があると思います。マスメディアの報道を中心に。そう思われませんか? 皆さんが報じているんですよ、物価高の対策どうするのって」

 と逆に記者を詰め出した。石丸氏はその前の質問で、物価高対策について「都がやるには限界。インフレに対して減税で対応するのは危うい」と批判的に述べていた。

 日経記者が「私は(候補者の掲げる政策が)横並びになってしまって、議論が深まっていないんじゃないかと考えながら記事を書いてきました」と返すと、堰を切ったようにメディア批判を展開し始めたのだった。

「だとすると、見分けがつかないから甲乙つけられなくて選べない、という投票行動になるんじゃないですか。でも、そうなっていませんよね。ということはほとんどの有権者がそこが見れていないんですよ。なんとなくのイメージで国政政党の色で投票する。今に始まった話でなくこれまでのほとんどの地方選挙はそうで、皆さんがクラシカルに報道される通り、国政の縮小版だと国民の多くが誤解してしまっている」

「本当はそんなところから学校ではないので教える必要がない。教えたくないのですが、誰かが言い始めないと永遠に気づけない、メディアの方がもっと前から地方政治はかくあるべき、地方議会とはどういうものかと国民にしっかり理解させていたら再生の道はそもそも必要なかったんです」

「見返しなさい」と読売記者を叱りつけた

 なぜ俺たちのせいにされるのか…。話を聞いていた記者たちのほとんどがそう思っていたであろう。続いて読売記者が切り込んだ。

――現時点では擁立した候補者の大半が難しいという情勢が報じられていますが、この点は率直にどう思われますか。

「そうなんですね、という感想です」

――そうなんですか、というのはどういうお気持ちですか。

「昨年も同じことを言ったんですが、都民の意識が可視化されるのが選挙なんで、そうなんだというふうに私も初めて知った。やってみないとわからないからやるんですね。なので、そうなんだと知ったという状態です。知ることに対して感想は必ずついて回るものではないと思うんですが、いかがでしょうか」

――ご自身が擁立された候補者の大半が当選が難しいと報じられていることについて、擁立した立場としてはどのように感じているかとお伺いしているのですが…。

「これは前の方の記者会見で言ったんですが、当然ですが全員の当選を願っていますし、それを目指した。通れば嬉しいし通らなかったら悲しいです。それ以外の感想って生まれるものなんですか? あえて言えば。それはあくまで候補者側の目線でしかなくて、今のはそう聞かれたから返したまでです。党の代表としてははなからそういうものではないと、去年の都知事選から言っているんです。今回は都議選においても同様です。通じました?」

 読売記者は引き下がらなかった。

――もう少しわかりやすい言葉で説明していただいてもいいですか。

「じゃあ、ダイレクトに返しましょう。そんなところに党の代表としてこだわっていないんです。よろしいですか。先ほど言いました。1月の記者会見で目標として都議選に候補者を擁立するとしっかり書いてあるんです。見返しなさい」

 生徒を叱りつけるような口調だった。そしてこう続けた。

「その観点で言えば党としての目標はしっかり叶えているんです。その後の選挙においてはやっている方の立場の感想は先ほど申し上げました。しかしながら、党の代表として今の現状をどう評価するかについては今申し上げた通りです」

 ここで読売記者は「わかりました、ありがとうございます」と言って質問をやめた。すると石丸氏は不適な笑みを浮かべ、

「なんか少しあきらめられた感じ。もう少し粘っていただいても大丈夫ですよ」

 この底知れぬ自信はいつまで持つのだろうか。

デイリー新潮編集部

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