「未成年だとは知らなかった」 川口市「12歳少女に性的暴行」のクルド人が語った“驚きの弁明” 証言者に暴行・口止めも

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“口止め”の可能性

 対して、【前編】で記したように、5月12日に行われた尋問で、被害少女は意に添わぬ性的行為をされたこと、そしてハスギュル被告に年齢を聞かれ、「中1だよ」と答えたことを証言している。

 両者の主張は対立するが、事件のキーマンはB少年だ。犯行現場となった車に同乗し、一部始終を目撃している。そのB少年は事件直後、検察による取り調べに、ハスギュル被告がAさんに拒否されているにもかかわらず、性的行為を強要したこと、被告が彼女の年齢を確認していたことを証言している。また、事件後、被告から暴行を受け、本件について口止めをされたことも証言している。

 が、公判が始まり、証人として呼ばれると一転、上記の供述について「覚えていません」との発言を連発した。検察側はハスギュル被告の関係者による更なる“口止め”があった可能性を強く示唆している。

不安の根源

 以上が現在までの公判の内容である。次回公判は7月4日。この日で結審する。

 もっとも、どのような判決であれ、成人男性が、12歳の少女といかがわしい行為に及んだこの事件のありようが、日本人とクルド人の“共生”の姿とはほど遠いこと間違いない。川口市民が感じている不安の根源が、この事件には表れている。

【前編】では、被害少女の尋問について詳述している。

西牟田靖(にしむた・やすし)
ノンフィクション作家。1970年大阪府生まれ。日本の国境、共同親権などのテーマを取材する。著書に『僕の見た「大日本帝国」』、『わが子に会えない』、『子どもを連れて、逃げました。』など。

デイリー新潮編集部

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