オンカジ賭博で4選手が書類送検も「西武」の好調が揺るぎそうにない理由…チームを支えるもうひとりの「小さな巨人」
好調なチームで…
好調なチームに「水を差す」とはまさにこの事である。
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埼玉西武ライオンズの外崎修汰(32)、柘植世那(28)、長谷川信哉(23)、児玉亮涼(26)の4選手と球団職員の計5人が、オンラインカジノで賭博をしたとして、埼玉県警に賭博容疑で書類送検された。
「開幕から打撃不調だった外崎ですが、今季からサードにコンバートされたこともあり、不慣れな守備が打撃に影響していると見られていました。県警から任意で事情聴取を受けていたこともあり、もしかしたらこの件で心中は穏やかではなかったのかもしれませんね。長谷川は14日の中日戦で4号ソロ本塁打を打っています。12球団で唯一、本塁打のなかったチームに勢いをつける一発でした。身長166センチと小兵ながら俊足好守の児玉と共に、今季の好調なチームを支える、貴重な戦力です」(担当記者)
4勝14敗――昨年度の西武の交流戦成績である。それが今年は18日現在で、8勝6敗。17日のDeNA戦では、エース今井達也(27)が球団新記録となる17奪三振で6勝目。累計104奪三振でリーグトップとなり、勝利数、防御率で投手3冠となった。6月15日の中日戦は2-1で勝利したが、1点差での試合となると、今季は15勝7敗。12球団でトップの勝率となっている。
安定した投手力に加え、競り合いに強いチームを率いるのは、寡黙な勝負師・西口文也監督(52)。その巧みな采配が今日も相手チームを翻弄させる……ライオンズファンの荒い鼻息と高笑いを瞬時にかき消してしまうような不祥事だが、球団によると、「本人らは、興味本位で利用してしまったことを深く反省しており、球団が課した制裁金の支払いも異議なく受け入れております」とし、選手たちの真摯な姿勢も踏まえつつ、今後の司法判断をもとに適切な対応を行っていくという。
「決定的な強打者のいない打線ですが、少ない得点を安定した投手力で守りきるという戦い方は変わらないと思います。ベテランの外崎、好調な投手陣を支える柘植、そして育成から這い上がった長谷川はもちろん、3年目の児玉にもまだまだ頑張ってもらわないといけません。ただ、今回の問題発覚でも特に不安にならないのはもうひとり、チームを支えている小さな巨人がいるからです」(同)
チームを支える小さな巨人
「越後の星よ きらめけ いつまでも!」
新潟県上越出身の滝澤夏央(21)の応援歌は、最後の部分でファンの声に力がこもる。躍動感あふれる好守備はもちろん、打撃でも貢献。開幕から1軍に定着していた。5月20日の楽天戦で左太ももを負傷し、出場登録を抹消されていたが、6月3日のヤクルト戦から1軍復帰している。ここまでの成績は打率.277。犠打は昨年の10に迫る9となっており、出塁率は.347となっている(18日現在)。
守備は二塁だが、正遊撃手の源田壮亮(32)が体調不良などでベンチスタートの際は遊撃としてスタメン出場することもある。ここぞ、という場面で好守を連発し、ライオンズファンから「いいぞ、いいぞ、夏央!」コールを浴びている。
「愛くるしい顔立ちから女性ファンも多いですが、おじさんファンからすると、滝澤は泣かせてくれる、いいヤツなんです」(50代のベテラン西武ファン)
13日の中日戦。5回1死1塁で打席が回って来た滝澤は、昨年のドラ1投手・金丸夢斗(22)から右肘に死球を受けた。小柄な滝澤は大きく転倒。金丸が帽子を取ると、すっと立ち上がった滝澤も金丸へ頭を下げて1塁へ向かった。
「思わず拍手していましたが、ファインプレーというか、当てられているのに頭を下げるなんて、夏央は憎めないなと思いました」(同)
5月17日のオリックス戦ではプロ初のサヨナラ打を放ち、歓喜のウォーターシャワーを浴びる中、約30センチの身長差があるネビン(28)に軽々と肩に担がれた。実はその日、故郷・新潟から両親が試合を見に来ていたという。
「その翌日が、両親の結婚記念日だったというんです。両親のお祝いの前日に、サヨナラ打で決めるなんて。夏央はやっぱりいいヤツだな。孝行息子だなと」(同)
滝澤を語る時、テレビやラジオの中継などで紹介されるたびに言われるのが「球界最小兵の……」である。身長164センチは確かにNPBでは最も低い。当然、児玉と滝澤が試合に出る際も、やはり身長をイジられることがある。
ちなみに、滝澤は昨年から“2ミリ”身長が伸びている。今年1月11日付の日刊スポーツによると、本人いわく「高校時代から163.8センチでした。四捨五入して164センチで」としていたそうだが、1月のメディカルチェックで「164.0になりました」という。「時間によって変わってくるかもしれないですけど」と、わざわざ注釈を加えたそうだが……。
「もう身長ネタに触れなくてもいいくらい、今季は大活躍しています。ユニフォームが泥で汚れるほどの好守備や走塁に、バントも絡めた積極的な打撃は、全力プレーという言葉がピッタリ当てはまります。身長が170センチ後半から180センチ台の選手が多いNPBですが、身体が小さくても努力と練習次第でプロ野球選手として立派にやっていける。それを見事に証明してくれていますからね」(スポーツ紙デスク)
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