デタラメ情報を拡散、「陰謀論」を繰り返す韓国の極右系ユーチューバーのコメント欄が日本語で埋め尽くされた

国際 韓国・北朝鮮

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「尹アゲイン!」

 韓国で革新系「共に民主党」に所属する李在明(イ・ジェミョン)大統領が誕生して約2週間。投開票日の翌日6月4日午前6時21分に任期が始まった李大統領は、矢継ぎ早に前大統領・尹錫悦(ユン・ソンニョル)スタイルの刷新に乗り出している。

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 米国のトランプ大統領、日本の石破茂首相、中国の習近平国家主席、ベトナムのルオン・クオン国家主席らと次々に電話会談を行うなど、国際舞台へのアピールにも余念がない。しかし、左派とみられてきた李大統領については、いまだに今後を懸念する声がくすぶっている。

 最たるものが「韓国は中国や北朝鮮のような共産主義の国、反日国家になる」という極右系ユーチューバーの主張が続いていること。彼らの動画は大量に拡散され中には100万回再生を超える人気動画も。

「尹大統領(当時)は昨年12月3日に非常戒厳を宣布し、4月4日に韓国の憲法裁判所が裁判官の全員一致で罷免を言い渡しました。しかし、それ以降も中高年を中心とする保守強硬派が弾劾反対の集会を繰り返し、世論調査でも弾劾反対の声が20%から30%以上へと急増しました。特に20代から30代の若者男性に影響を与えたのが陰謀論を繰り返す極右系ユーチューバーだったのです」(現地の政治ジャーナリスト)

 弾劾裁判に尹大統領が勝利した場合は韓国の自由民主主義が守られ、反対に弾劾が決まれば中国の属国になり共産主義国家になる、という極端な二元論が李大統領を歓迎しない保守派にウケたことも背景にあったという。しかも、乱立する右派系ネットメディアのトンデモ記事まで信用してしまう若者が続出している。

「インターネットメディアの『スカイデイリー』が1月にアップした記事が、韓国社会を仰天させました。それによると、昨年12月3日に非常戒厳が宣言された日に投入された韓国の戒厳軍が、中央選挙管理委員会の研修施設で中国人スパイ99人を拘束。米軍と共同作戦によってこの99人は沖縄の米軍基地に移送され『韓国の選挙に介入した』と自白した、というのです。

 しかし、この記事がまったくのデタラメで、当の在韓米軍司令部と中央選挙管理委員会が直ちに否定しました。記事を書いた記者は公務執行妨害、名誉毀損などの疑いで家宅捜査されるほどの騒ぎに。それでも極右系ユーチューバーらは『韓国は中国に侵略される』『尹大統アゲイン!』という主張を続けているのです」(前出の政治ジャーナリスト)

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