交流戦最下位の巨人は負けるべくして負けている 「打てないと思って出している」との監督コメントにも疑問【柴田勲のコラム】
秋広は移籍先で好調……そりゃそうだよな
阿部監督は一発を期待し続けて、たとえ結果が出なくても我慢して使い続けていた。秋広優人を放出して獲得したこともあって、意地にもなっていたのだろう
そんなところでサインの見落としだ。引導を渡された感じがする。
対照的に秋広は移籍後、初アーチをマークしたし3試合連続で打点を挙げるなど活躍し始めた。そりゃそうだよな。秋広は1軍での実績がある。2023年は121試合に出場して10本塁打、41打点、打率.273の成績を残している。3番も打った。
リチャードは昨年までファームで5年連続本塁打王、打点王を3年連続・通算4度獲得した。でも1軍に定着することができなかった。やはり1軍では打てない何かがある。
一方、秋広だって昨年から阿部監督が就任したとたん使ってもらえなくなった。佐々木俊輔、萩尾匡也が優先的に起用されるようになった。
こちらも何かあったんだろうと思う。
巨人には上昇する好材料がない
戸郷翔征が悪い時に戻った。オリックス第3戦に先発したが、5回を被安打9で5失点だった。前回はちょっと良かったのに……。
まっすぐ、スライダー、フォークでカウントが取れない。ボール球が先行して真っすぐが打者のベルト周辺に集まる。これでは打たれる。何度でも言う。大事なのは制球力だ。
この1週間、投手陣はそれなりに頑張ったが打線はたまに一発が出るくらいで、タイムリー欠乏症に陥っている。エラー、ボーンヘッドも多い。出さなくてもいい無駄な四球、中川皓太の押し出し四球でサヨナラ負けもあった。
17日から本拠地の東京ドームに日本ハム、西武を迎えての6連戦、どちらも交流戦の上位にいる。特に日本ハムは乗っている。
ハッキリ言って、巨人には上昇して行く好材料がない。どうやってしのいでいくのか。交流戦最後にヤマ場がやってきた。
(成績などは16日現在)
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