交流戦最下位の巨人は負けるべくして負けている 「打てないと思って出している」との監督コメントにも疑問【柴田勲のコラム】
オリックスに3連敗、昨季からは6連敗
巨人、交流戦3勝7敗1分で最下位だ。弱い。と、思ったらなんのことはない。セ・リーグ全体がパ・リーグに押されている。
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先週はパの全球団がセ・リーグに勝ち越している。阪神が2試合連続でサヨナラ負けを喫するなど6連敗。そのおかげでと言ってはなんだが、セの順位変動はほとんどない。
巨人は先週の6試合を1勝4敗1分、首位の阪神に4ゲーム差の4位だ。なんとかくっついている。オリックスに3連敗、昨季からだと6連敗か、まあ15日の試合を見ていると、負けるべくして負けている。
スタメンを眺めて首をかしげた。先発が左の曽谷龍平と分かっているのに6番・DHに左の大城卓三を入れていた。
ここは1番・泉口友汰、2番・坂本勇人、3番・吉川尚輝、4番・丸佳浩、5番・増田陸、そして6番・DHで岸田行倫、7番・甲斐拓也だ。6番・DHで甲斐、7番・岸田でもいい。打順は入れ替えてもいける。
さらに8番・トレイ・キャベッジ、オコエ瑠偉を使いたいなら9番だろう。
相手チームが「どうすれば嫌がるか」を考えよ
15日は坂本が7番で、オコエは2番の起用だった。打率がどうこうじゃない。オリックスにすれば、坂本の2番の方がよっぽど嫌だろう。
主砲の岡本和真がケガで戦列を離れているいま、総力戦で戦っていくしかない。こんな時はチーム内に目を向けるのではなく、相手チームの立場に立って物事を考える姿勢が必要だ。どうすれば嫌がるかである。
そういえば、14日も相手の先発が左の宮城大弥と分かっているのに13日に支配下登
録を勝ち取ったばかりの三塚琉生を8番・DHで起用した。ご存じの通り、将来の左の大砲候補だ。抜てきと言っていい。
結果は4打数無安打で3三振だった。宮城は球界を代表する左腕だ。仕方がない。
リチャードの「サイン見落とし」はファーム落ちの原因?
でも、気になったのは阿部慎之助監督の新聞紙上に掲載されたコメントだ。
「打てないと思って出しているからね。やっぱいい投手(の打席)に立ってほしいというのがあるから」
打てないと思っていた。いま、そんなに余裕があるのか。大量点で勝っている、または負けている。そんな時の代打なら分かる。言い訳にしか聞こえない。翌15日は同じ左の大城を使っていた。
ちょっと使ってダメなら即外す。これはどうかと思う。起用したなら最低でも4~5試合はスタメンで使う。後半戦に向けての起用でもあったのだろう。なら、どっしりと構えてある程度使い続けてほしかった。
一貫していない。
砂川リチャードがファーム落ちした。サインの見落としが直接の原因だという。でも、こんなことはよくある。
秋広優人との交換トレードでソフトバンクから移籍したリチャードの成績は18試合で42打数4安打(うち2本塁打)、4打点、打率は.095だった。
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