大竹しのぶが「リア王」で“男性役”に挑戦 「初めて舞台に立った中学時代に演じた思い出の作品」 

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 16歳で芸能界デビューと、芸歴が半世紀以上にわたる女優の大竹しのぶ(67)の初挑戦が話題だ。

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今年一番の話題作

「今年10月から11月に東京・新宿のTHEATER MILANO-Zaと大阪のSkyシアター MBSで上演予定の舞台『リア王』に出演します。注目は役柄で、主人公のリア王を演じるんです」

 と言うのは演劇関係者。本作は「ハムレット」「マクベス」「オセロー」と並ぶシェークスピアの“四大悲劇”の中で、とくに悲劇性が強い作品とされる。

「大竹は22歳と60歳の時に、フランスの作家ジュール・ルナールの代表作を舞台化した『にんじん』で主人公の少年を演じましたが、成人男性の役は長いキャリアの中でも初めて。意外性に富むキャスティングで、早くも“今年一番の話題作”と注目を集めています」(同)

 ブリテンのリア王は、退位に際して3人の娘に領地を3分割して与えることを約束。長女と次女は甘言で父王の歓心を買うが、三女は老父を気遣う率直な物言いが災いして勘当の身に。ところがリア王は、三女の分まで地位と財産を手にした姉らに追放され……。

 演出は、日本でも数多くの作品に携わる英国の人気演出家フィリップ・ブリーン。過去には大竹が主演した舞台「地獄のオルフェウス」「欲望という名の電車」なども手がけている。

「台本もブリーンの担当なので、現代的な新解釈が目を引く作品になりそう」(同)

宮沢りえと共演

 ここ数年、演劇界では世界中で男性役を女性が演じるなど、性別にこだわらないジェンダーレスな配役が顕著だという。

「大竹は“世界のニナガワ”として知られた故・蜷川幸雄氏が演出した『マクベス』をはじめ、多くのシェークスピア作品に出演してきました。彼女が人生で初めて舞台に立ったのは中学時代の文化祭で、作品は奇しくも今回と同じ『リア王』だったそうです」(前出の演劇関係者)

 劇場が配布した報道向け資料には、〈大好きなシェークスピア、それも大好きなリア王に挑戦できるなんて、私はなんて幸運なのだろうと身の引き締まる思いです。思い出の作品に再び(?)挑戦できるのですから〉との大竹の声が紹介されている。

 共演者は、父王を残酷に切り捨てる長女ゴネリル役に宮沢りえ(52)、実直な三女のコーディリアを生田絵梨花(28)、成田凌(31)がゴネリルと不倫する野心家のエドマンド役で名を連ねる。

 演劇担当記者が解説する。

「大竹と宮沢は5年前にチェーホフの舞台『桜の園』で共演するはずでした。この時はコロナ禍で公演が中止になったので、二人の共演は本当に久々です」

 古希を控えてのチャレンジに、観客席はもとより共演者や業界関係者からも熱い視線が送られそうだ。

週刊新潮 2025年6月12日号掲載

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