【セ・パ交流戦】西武が広島に3連敗で「主力2投手」の起用法に物議 楽天では巨人戦での「大内誠弥」4回降板に疑問符

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 野球においては、あらゆる選択の場面があり、その判断によって勝敗が分かれるケースも少なくない。6月2日配信の前回記事では、リリーフの選択やタイミングについて“勝敗の分かれ目”となったポイントについて触れたが、セ・パ交流戦がスタートした先週の試合では、先発投手の起用法で議論を呼びそうなゲームがいくつかあった。【西尾典文/野球ライター】

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134球は投げさせすぎでは…

 最初に触れたいのが、昨年は圧倒的な最下位に沈みながら、今年は上位争いを演じている西武だ。チーム躍進の原動力は、エースへと成長した今井達也である。

 開幕戦こそ2失点完投で敗れたものの、それ以降は5連勝を記録。開幕から10試合全てで7イニング以上を投げ切り、自責点は2以下で、交流戦前までの防御率は0.83と圧倒的な成績を残していた。

 そして、迎えた6月7日の広島戦。1回にいきなりモンテロにタイムリーツーベースを浴びて先制を許すと、その後も立ち直ることができず、今シーズン最多となる5失点を喫して負け投手となった。

 長いシーズンを考えれば、この日のように崩れる試合もある。ただ気になった点は、その結果以上に7回まで今井を続投させた首脳陣の“判断”だ。今井は、最終的に134球を投じており、これは今シーズン最多である。

 前週のオリックス戦も7回を投げて、球数は121球に達していた。首脳陣には、今井が先発する日は、中継ぎ投手を休ませたいとの思惑があったことも考えられる。だが、前日の広島戦も、先発の高橋光成が7回まで投げており、登板したリリーフはウィンゲンターのみだった(試合は2対3で西武の敗戦)。

 リリーフ陣の稼働状況を考えれば、今井が6回を投げ終えて、3点ビハインドとなった時点、もしくは7回に4点目を奪われた時点で継投を検討しても良かったのではないだろうか。エースであれば長いイニングを投げるのが当然という考え方もあるものの、点差や試合展開を見ても、今井に134球を投じさせるメリットがあったようには感じられない。これから夏場の勝負所でコンディションを落とさないためにも、エースに積極的な休養を与えると選択肢もあったはずだ。

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