自分なしでは動かない「強烈な居場所」が欲しかった 「宗教2世」が風俗店の経営者になった理由
風俗業界全体を良くしたい
退院後は、WEBプランナーとして半年間、企業で働きました。でも、再び風俗嬢として働きたいと思い、風俗業界に戻りました。業界を明るくしたという思いから、アダルトバラエティ番組「ホンクレch」というYouTubeチャンネルも立ち上げました。
今は風俗業界全体のことを、もっと良くしたいという気持ちが強いですね。業界への偏見も、問題は世間にあるというより、業界の中にあると思っていて、業界内を変えたいんです。
例えば、スカウトマンに依存する状況を変えて、女の子が主体となって業界を渡り歩けるようにしたいですね。そのための活動をYouTubeやオンラインスクールでしています。
私自身、今年の7月末で風俗嬢を引退することを決めました。風俗をやっていると、自分の居場所を明確に感じられたんですが、2年前くらいから「あまり必要ないかも」と思うようになりました。
入院したり、働いたり、YouTubeをやったりする中で、徐々に「自分の生き辛さを他人任せにしちゃダメだ」と思うようになったんです。今までは人との距離感は、ゼロが素晴らしいと思っていました。でも、距離感があっても素晴らしいこともあるし、むしろ距離感がないと不健康になる。適切な距離感が大事だと分かってきました。
お客さんとの関係で得ていた安心感がなくても、自分はやっていける気がしています。「手放す勇気」を持てるようになったんですよね。でも、ダメだと思ったら、また戻ろうかなとも思っています。
最近、自分が世に生み落とされて、まだ15歳くらいなんじゃないかと思うんです。19歳で一人暮らしを始めて、そこが0歳だとして、今34歳だから、まだ14歳か15歳くらい。ようやく成人に向けて、社交的な部分が分かってきた段階なのかなと。だから今後はもっと「人間として」成長していきたいと考えています。
引退後の具体的な予定はあまりなく、「本当にどうしようかな」って感じですが、卵子凍結や精子提供などに興味があります。理想の男性像はないかもしれないですね。家にいて家事をしてくれるとか、合理的なパートナーがいればいいかな。
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第4回【他の風俗嬢が「NG」とする客がお得意様に 34歳・宗教2世「特にピロートークがすごく重要」】では、風俗嬢としてのトーク術を語っている。
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