「一体、何を楽しみに…」34歳・宗教2世が明かす壮絶な幼少期 ポケモンもセーラームーンもダメ

国内 社会

  • ブックマーク

まりてん・インタビュー第2回

 風俗業界で働きながら鋭い発言で注目を集めるインフルエンサー・まりてん(34)。幼い頃、末の妹の死をきっかけに母が新興宗教に入信し、誕生日もクリスマスも禁止された家庭で過ごした。制約の多い日々で唯一の楽しみだった「絵」と、いつか遠くの大学へ進学することを夢見た少女時代を振り返ってもらった。(全5回の第2回)

 ***

 今になって振り返ると、当時の母の気持ちは理解できる部分があるんです。むしろ、母が宗教をやってくれたからこそ、精神的に病んでしまったり、最悪の事態を防げたりしたのかもしれないと思います。

 ある種、宗教に救ってもらったと感じています。家族の形はいびつでも、なんとか成り立っていた部分もあったのかもしれないなって。

 でも、正直、子どもの頃は「普通の家に生まれたかった」と思っていました。親のことは大好きでしたから、家そのものを変えたいというよりは、私の家が「普通」になってほしいと願っていました。

 他の子みたいに、当たり前に誕生日を祝ったり、クリスマスを過ごしたり、友達の家に泊まりに行ったりできる、そんな「普通」の生活に、本当に憧れていましたね。

 でも、私の家は違いました。宗教の「中の人」とは、仲良くしていい。学校の友達は「世の人」と呼ばれて、どこか線を引かれていました。私が好きだった漫画も「サタンの影響を受けているから見ちゃダメ」って言われました。

 ポケモンもセーラームーンもダメ。神の創造物じゃないキャラクターは、基本的に禁止だったんです。サタンというのは、漠然とした悪魔的な存在ですね。

「一体、何を楽しみにすればいいんだろう」って、子ども心に思っていました。そんな中で唯一の楽しみが、宗教団体が毎月発行する冊子でした。聖書を分かりやすく解説したもので、たまに「動物の不思議」みたいなコーナーがあったんです。

「神の創造物は素晴らしい」という内容で、そこに載っている鳥とかを模写していました。それが絵を描くことにつながり、後に美大に行くきっかけになったんだと思います。絵は好きでした。

次ページ:親は友達を「世の人」

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。