W杯予選で初黒星…「森保ジャパン」低レベルな戦いにDAZN独占中継は“不幸中の幸い” 急いで発掘すべき“空中戦に勝てる人材”とは

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 2026年北中米W杯のアジア最終予選の第9節が6月5日に行われ、オーストラリア・パースでオーストラリアと対戦した日本は0-1で敗れて今予選初黒星を喫した。グループCは日本の首位こそ変わらず、2位のオーストラリアは最終戦でアウェーのサウジアラビア戦に勝つか引き分ければ2位以内が確定してW杯出場が決まる。【六川亨/サッカージャーナリスト】

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 日本時間の午後8時10分というゴールデンタイムのキックオフ、試合は有料ネット配信のDAZNが独占生中継したが、正直なところテレビの地上波で放映されなくて良かったと思ってしまった。

 なぜなら、あまりにも試合内容が低レベルで、見ていて眠くなるほどだったからだ。サッカーにさほど興味のない視聴者だったら、間違いなくチャンネルを変えていただろう。それほど酷い、日本の戦いぶりだった。

 その原因は、オーストラリアが勝点1狙いで自陣に引きこもって専守防衛だったこともあるが、日本がスタメン11人をほぼ“2軍のメンバー”で戦ったことが指摘できる。

 GK谷晃正(出場試合数2)、3BKが右から関根大輝(0)、渡辺剛(3)、町田浩樹(16)。

 ボランチが藤田譲瑠チマ(2)、佐野海舟(4)、WB平河悠(0)、俵積田晃太(0)。

 インサイドMF鈴木唯人(1)、鎌田大地(40)、1トップに大橋祐紀(1)

 というスタメンである。

 伊東純也や三笘薫、堂安律、上田綺世、南野拓実、遠藤航、田中碧といった主力組は休ませて、チーム全体の底上げを図りたいという森保一監督の意図は十分にわかる。

自己主張できた“2軍選手”は皆無

 W杯まであと1年、これまでのような固定したメンバーで連戦を勝ち抜くことは難しいだろう。カタールW杯における浅野拓磨や田中碧のような“スーパーサブ”の出現を、森保監督も待ち望んでいるに違いない。

 そういう意味で、オーストラリア戦は勝利を目指すのはもちろんだが、新戦力(ほとんどの選手)にとってはアピールの場であったはず。にもかかわらず、エゴイスティックなまでに自己主張した選手はいたかと問われれば、答えはノーだ。

 ワンタッチシュートの上手い大橋だが、良質なクロスはほとんど供給されないため見せ場は皆無に近かった。

 俵積田や鈴木は時折ドリブルを仕掛けたものの、前者はクロスに正確性を欠き、後者はプレー時間が少なすぎた。

 GK谷は相変わらずキックが不安定で、2度ほど相手にボールをカットされかけた。そろそろ彼には見切りをつけて、小久保玲央ブライアンを招集すべきだろう。

 交代出場の瀬古歩夢も、攻め上がったものの判断ミスから2度ほどピンチを招いた。失点シーンは鎌田のボールロストから始まったが、マークを受けている鎌田にパスを出す必要があったのか。

 そして鎌田もボールをロストしながら傍観者となっていた。アジズ・ベヒッチのシュートをブロックしようと戻ったのは久保建英だった。

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