今年40歳以上になる10人の現役ベテラン選手 現役続行か今季限りか…ヤクルト“最高齢投手”は「新監督」が“不安要素”に?
毎年多くの新星が登場してくる日本球界。その一方で長くプレーを続けられる選手はごくわずかで、今年40歳以上となる現役選手は、10人となっている。その中で今後もユニフォームを着続けることができるベテラン選手は誰なのか。彼らの現状を探ってみた。成績は6月3日終了時点。【西尾典文/野球ライター】
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高津監督が来季交代なら45歳・石川投手の現役続行もピンチに?
まず取り上げたい投手が、球界最年長の45歳となる石川雅規(ヤクルト)だ。今年は開幕ローテーションからは外れたものの、4月9日の阪神戦では5回3失点(自責点1)の好投で今シーズン初勝利をあげた。5月4日の阪神戦でも6回を1失点にまとめて昨シーズンを上回る2勝目をマーク。通算勝利数はこれで188に達したほか、「24年連続勝利投手」というプロ野球記録も更新している。
石川本人も通算200勝に向けて強い意欲を見せており、5月終了時点で2勝をあげている。大きな怪我がなければ、来季も現役続行の可能性は高いように見える。
ただ一方で“不安要素”もあるという。他球団の編成担当者は以下のように話してくれた。
「ヤクルトはもともとファミリー体質が強く、功労者に対しても優しい球団です。ただ、今年はあまりにもチーム状態が悪く、高津臣吾監督は今シーズン限りの退団が濃厚になっており、長く編成のトップを務めてきた小川淳司GMも責任をとって退任する可能性があります。そうなると、チームの若返りを図ろうという動きが出てきてもおかしくありません。昨年も石川より若い青木宣親がユニフォームを脱いでいます。それを考えると、石川の現役続行もまだまだ分からないと思いますね……」
ちなみに、今シーズン石川が負け投手となった2試合はいずれも大量失点(7失点と6失点)を喫しており、現時点の防御率は7点台だ。現役続行のためには、残りのシーズンでしっかりと戦力となる必要性がありそうだ。
通算420ホールド投手や、41歳の4番打者も
その他の投手は、40歳の岸孝之(楽天)と宮西尚生(日本ハム)が存在感を示している。岸は、ここまで先発として7試合に登板して2勝2敗、防御率4.89と決して良くないが、これは4月10日の日本ハム戦で8失点を喫した影響が大きく、それ以外の6試合は全て5回以上を投げ切っており、大きく崩れた試合はない。全盛期のようなスピードはなくても、投球術は健在で、今後も先発の一角として期待がかかる。
宮西もここまで15試合に登板して1勝8ホールド、防御率1.80と見事な成績をマーク。抜群のコントロールで左打者だけでなく、右打者もしっかり抑え込んでいる。通算420ホールドは、2位の山口鉄也(元巨人)の273ホールドを大きく引き離しており、この調子を維持できれば、通算500ホールド達成も視野に入ってくるだろう。
野手でさすがの活躍を見せているのが、41歳の中村剛也(西武)だ。昨年は7本塁打で、4年ぶりに二桁本塁打に届かず、打率も1割台と低迷した。だが、今年はオリックスから加入したセデーニョの不調もあって、開幕直後から度々4番として起用されると、ここまで33試合に出場して打率.265、3本塁打、9打点としっかり結果を残している。
代打での出場が多いため、22安打にとどまっているとはいえ、そのうちホームランが3本、ツーベースが5本と長打力はまだまだ健在。出塁率.358も見事な数字だ。
5月下旬から少し成績が落ちてきているものの、セ・パ交流戦での通算79本塁打、通算211打点はいずれも史上最多であり、ここから再び調子を上げてくるだろう。
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