「JAは供給量を絞る可能性が高い」 備蓄米放出でもコメ全体の値段が下がらない理由 小泉進次郎氏の農水相就任に叔父は「予感が当たっちゃった」と歓喜
脱法的な態度
世界の農業・食料問題に詳しい、農業ジャーナリストの浅川芳裕氏は「随意契約方式」自体に問題があると指摘する。
「随意契約では政府が価格を含む条件を自由に設定できます。政府による市場価格への介入であり、市場メカニズムをゆがめかねません。備蓄米は『主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律』で規定されていますが、『価格の安定』は政府がコメの価格を自由に指定することを意味しないはずです」
農水省は業者の選定に関して〈毎日先着順で受付・契約・販売〉とするが、前出の山下氏も「随意契約方式」に警鐘を鳴らす。
「競争入札の場合には最も高い金額を提示した業者が落札し、その利益は国庫に入るため全国民に還元できるのですが、今回の随意契約の場合は安く売るので国庫の利益とはなりません。たまたま備蓄米を購入できた国民は利益を得るものの、そうではない国民はまったくメリットがないのです」
先の浅川氏の舌鋒は鋭い。
「小泉農水相は“価格破壊を起こさないと世の中の空気は変わらない”と発言していますが、民間価格への介入を当然視する、まさに脱法的な態度です。農家の増産を実現し、米不足のない環境を作るのが政治家本来の役割のはずです」
「“進次郎にくるんじゃないか”と思ったんだけど……」
自民党関係者は目下、小泉農水相にはまともな相談相手が身内以外にほぼ見当たらないと語る。
「最近、進次郎に近しかった人が相次いで亡くなったんです。特に、親子2代にわたって小泉事務所に仕えた元秘書が今年3月に亡くなった時には、葬儀でその元秘書の名前を涙ながらに叫ぶほど取り乱して、見ていられませんでした」
その元秘書と共に小泉家を支えた叔父、小泉正也氏(79)に聞くと、
「前の大臣が辞めることになった時、“進次郎にくるんじゃないかな”とちらっと思ったんだけど、予感が当たっちゃったね」
と、再び甥にスポットライトが当たって、喜びを隠し切れない様子。
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