森山幹事長がゴーサイン「不信任なら解散」報道のかなりややこしい背景

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奇策で奇襲

「少し前」というのは江藤拓前農水相が失言で更迭される前で、内閣支持率が低空飛行を続けていた頃だ。

「衆院で過半数割れする去年秋まではどう否決するかを考えるまでもなかったわけですが、内閣不信任案が出たら否決するというのが常です。そのため、記事にあるように内閣不信任案なら解散というのは奇策と言うか奇襲になるでしょう。少数与党として可決されないための多数派工作をするだろうと思いきや、解散に打って出るということですからね。このタイミングなので参院選とのダブル選になる可能性が高く、当然、勝算や大義名分がなければこんなことをオフレコでも言わないはずですが、“自公与党は勝てる”“こういうテーマを訴えたい”という話を聞いたことはありません。もちろん私は今回報じられたような森山氏の考えを事前に聞いていましたが、あくまでもオフレコのレベルで頭の体操程度かなと捉えていました。基本的にはオフでも解散に言及するような発言を慎むものですが、政権運営を事実上担っているという森山氏の自負心の現れだったのかもしれませんね」(同)

オフレコ発言がどうして

 事前に語られていたオフレコ発言が今回どうして日の目を見ることになったのだろうか。森山氏は3日の会見で「野党が不信任決議案の提出を決定したとは、まだ承知していないし、その件について私が石破首相と相談したということもない」「仮に不信任決議案が提出されれば、石破首相が適宜適切に判断されるものだ」と述べた。報道内容を完全に否定した格好だ。

「オフの文言が報じられたのは森山氏が“書いてもよい”とゴーサインを出したからです。一方、3日の会見ですべてを否定するのは既定路線。“仮の話”に対応する必要はないんですが、つい口が滑ってしまったんでしょうか……。それはともかく、ゴーサインを出した背景にあるのは、6月22日の通常国会の会期末を見据えて情報戦を仕掛けたということになるでしょうか。が、うーん、会期末までの残りの日数を考えるとちょっと早すぎるかなという印象を受けました。現時点で聞いているのは、内閣不信任案なら解散という戦略ではなく否決するために維新などに声をかける方向へとシフトしているとのこと。いろんな意味でややこしい展開になっていますね」(同)

 いずれにせよ匕首(あいくち)を突きつけられた立憲がどうするのか、に焦点が集まっている。

デイリー新潮編集部

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