「月に17万円以上のコーヒー代を…」 “汚物まみれ”と評された山尾志桜里氏の疑惑 「地球5周分のガソリン代問題」の真相も闇の中

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捜査が入ることはなく、真実は闇の中

 当時、山尾氏の説明は必ずしも額面通りには受け止められなかった。この後の再度の会見を、東京の記者の厳しい追及を避け、地元の愛知で開くという姿勢を批判する向きもいた。

 もっとも、秘書による不正行為は実際にあったようである。この年12月の会見で、問題の秘書が事務所のガソリン代として2011~2012年に217万円の不正支出をしていたと明かした。秘書からの弁済を受け、刑事告訴は見送ったという。

 しかしながら当時、「そうか、山尾さんは被害者なのか」という同情の声はあまり聞こえなかったようだ。カネの扱いがルーズであることが「秘書のせい」で済むのならば、他党を追及することはできない、とは誰もが思うところだろう。これまで数多くの議員が「監督責任」を問われてきたのだ。

 また、刑事告訴を見送り、身内の話し合いのみで解決したことにより、真実が明らかにならなかったともいえるだろう。結局、秘書がいくら金を流用したのか、何のためなのか、捜査が入ることはなかったからだ。

「秘書の不正すら見抜けない人が、役所の不正を見抜けるんですか!」

「自分のカネではないという意識があるから、いい加減になるんじゃないですか!」

「身内の調査だけで済ませるんですか。それで国民が納得するわけないでしょう!」

 これまで何度となく「疑惑」を追及する側が口にしてきたことである。

1カ月に17万円以上の「コーヒー代」を計上

 加えて山尾氏の場合、上では割愛したが、すでに他にも不可解なカネの問題が指摘されていた。細かいことで言えば、1カ月に17万円以上の「コーヒー代」を計上、といった不思議な話もあったのである。地球9周に比べるとスケールは小さいものの、やはり常識的な金額とは言いづらいのである。

 念のため、前編で触れた堀田氏の「汚物まみれ」関連の「会見を開いたことがない」というコメントには誤りがある点も訂正しておこう。堀田氏は山尾氏について、会見を一度も開いていないと言っていた。

 しかし、ご説明した通り、当時、山尾氏は会見で説明をしたことはある。ただし、あまりに説得力がなかったからか、人々の記憶に残らなかったかもしれない。そもそも実はカネの問題以外に、有権者へのショートメールを用いての働きかけといった問題行為など、あれこれの疑惑が指摘されていたのだ。

 それでも党が彼女にかける期待は大きかったのだろう。翌年9月、山尾氏が民進党幹事長に内定したという報道が流れる。が、その数日後にこの話は白紙に。理由は彼女の不倫報道だった。
 
 前編【「地球5周分のガソリン代を計上…」 “汚物まみれ”と評された山尾志桜里氏が「ガソリーヌ」になるまでの疑惑の履歴書】では、山尾氏が年間でガソリン代を230万円計上していた問題など、「政治とカネ」を巡る山尾氏のこれまでの疑惑について紹介している。

デイリー新潮編集部

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