本気の「かくれんぼ」で海外賞受賞の快挙 「新しいカギ」はフジ再生の希望となるのか

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ドイツの国際映像祭

 ドイツの国際映像祭「ワールド・メディア・フェスティバル2025」で、フジテレビのバラエティ番組「新しいカギ」が、「Children&Youth:Omnia Open(子供と若者・オープン)」部門で銀賞を受賞した。

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「ワールド・メディア・フェスティバル」は作品性の高さを競うヨーロッパ最大規模の世界的な映像コンペティションである。2025年は29カ国から764作品がエントリーされた。

 受賞したのは、2024年7月27日に放送された「学校かくれんぼ」という企画を行った回である。学校かくれんぼでは、学校を舞台に生徒と芸人たちが本気のかくれんぼをする。この回では霜降り明星のせいやの母校が舞台となっていた。彼は高校時代に周囲に馴染めずいじめに遭っていた。そんな過去を払拭して、大人になれば大丈夫だというメッセージを高校生に伝えたいという意志を持って、この企画に臨んでいた。

 フジテレビが中居正広問題で開局以来最大のピンチに陥っている状況で、今回の受賞はそんな停滞ムードを吹き飛ばすような明るいニュースとなった。

「新しいカギ」は2021年に始まった。チョコレートプラネット、霜降り明星、ハナコという勢いのある若手芸人3組をメインに据えて、コントやロケを中心にしたさまざまな企画を行っていた。毎回いろいろな企画を行うこの手の本格志向のバラエティ番組は、一昔前には人気だったが、最近では苦戦する傾向が強い。この番組も例外ではなく、始まった当初はなかなか数字が伸びず、打ち切り寸前の状態にあった。

 だが、そんな中で起死回生の大ヒットとなったのが「学校かくれんぼ」だった。この企画が若い層の視聴者の心をつかみ、番組の人気を押し上げる転機となった。実際の学校を舞台にして、生徒たちが本気で楽しめるコンテンツを共に作り上げる姿勢が視聴者から高く評価されている。

 この企画の最大の強みは、誰にとっても親しみのある「学校」という場所を舞台にしている点だ。大人になっても記憶に強く残る場所である学校を、テレビの中で舞台として再現することで、視聴者は自分の思い出や感覚と重ね合わせて楽しむことができる。

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