なぜ「菅野智之」がトレード候補に? 識者は「先発投手不足に悩むチームには垂涎の的」 筆頭候補の球団は
むしろ名誉な“トレード候補”
MLB公式サイトが先頃、今季中にトレードされる可能性のある選手を特集する記事を掲載した。
【写真を見る】「菅野智之」が移籍するとすれば…筆頭候補の球団とは?
日本のプロ野球ファンにしてみれば、誰が放出されそうだといううわさを公式サイトが記事にすることに違和感があるかもしれない。
しかも、そこに菅野智之(35)の名があるのだ。
5月27日現在19勝34敗でア・リーグ東地区最下位に沈むオリオールズにおいて、チームベストの防御率3.07をマークし、4勝3敗と好投している彼の名がなぜ取り沙汰されているのか。
「メジャーではよくあることですよ」
と、メジャー研究家の友成那智氏が説明する。
「ポストシーズン進出が絶望的になったチームは早々に“再建モード”に入り、若手育成に傾注します。そして、7月末のトレード期限までに好成績のベテランを放出し、若手有望株を獲得するのです。また、移籍後の年俸を支払わなくて済むというメリットもあります」
逆に、優勝争いしているチームは、多少年を食っていようと即戦力が欲しい。つまり、トレード候補となるのはむしろ名誉なことなのだ。
移籍の確率
「ダルビッシュ有も30歳当時、レンジャーズとの契約最終年のシーズン中にドジャースに移籍しました」
と語る友成氏いわく、7月までに菅野が移籍する確率は、ズバリ90%。
「しかも菅野は1年契約。来季以降の契約を引き継ぐリスクがないので、強豪ながら先発投手不足に悩むチームには垂涎(すいぜん)の的なんです」
この条件に該当するのは、カブス、パドレスなど。いずれも既に日本人投手がいるが、筆頭候補はドジャースだ。
「ナ・リーグ西地区首位のド軍は、先発が投げる総イニング数が30球団中最下位。その結果、ブルペンも疲弊し故障が増えるという悪循環に陥っています」
周知の通り、ド軍には山本由伸、佐々木朗希、そして故障明けで実戦投球を始めた大谷翔平、と3人の日本人投手が在籍している。
第4の男、誕生なるか――友成氏の予想では、その確率「50%」である。