就職氷河期世代が政争の具に…厚労省が作り上げた“ストーリー”で歪められる「年金改革法案」論争の内幕

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「就職氷河期世代を見捨てるようなもの」。基礎年金の底上げが「年金改革法案」から削除されることになり、野党からそう批判が相次いだのだが、実はこの氷河期世代への認識自体に“誤解”がある上、さらにそれが政治に都合よく利用されているだけなのだという――。

※本稿は「週刊新潮」2025年5月29日号掲載「年金法案で政争の具に…『就職氷河期世代2000万人』の虚構」の記事を再編集したものです。

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 5月16日、政府が国会に提出した年金改革法案。当初、厚生年金の積立金を使った基礎年金の底上げが検討されたが、最終的にその案は削除。これについて野党から、

「就職氷河期世代を見捨てるようなもの」(立憲民主党・重徳和彦政調会長)

「厚生年金に入れなかった、正社員になれなくて厳しい時代を一生懸命に生きてきた就職氷河期世代の方、年金額の低い方の最低保障機能をどう高めていくのか」(国民民主党・玉木雄一郎代表)

 などと批判する声が上がった。こうした中で27日には、基礎年金の底上げ措置を法案の付則に盛り込む修正を行うことで、自民・公明・立憲の3党で合意されることとなった。

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