侮辱的な替え歌は「商魂こめて」以外にも 「金で釣った」「女たらし」などなど…ファンが合唱してきた“下品すぎる”替え歌の数々とは

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「死ね死ね くたばれ 巨人軍」

 今季の開幕直後、阪神、中日が相次いで球団公式ツイッターやホームページで、相手チームの応援歌に合わせた「侮辱的な替え歌」の合唱をやめるよう呼び掛けた。コロナ禍が落ち着き、声出し応援が解禁となったことで、相手チームを誹謗中傷する心ない野次や替え歌が再び問題化した形だが、この種の替え歌は過去にも少なからず存在した。【久保田龍雄/ライター】

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 今回クローズアップされたのは、アンチ巨人のファンが、東京ドーム開催試合のラッキーセブンの際に歌われる巨人の球団歌「闘魂こめて」を「商魂こめて」と銘打ち、「侮辱的な替え歌」にアレンジしたもの。

 4月20日放映の「めざまし8」(フジテレビ系)でも内容が紹介されたが、歌いだしの「闘魂こめて 大空へ 球は飛ぶ飛ぶ 炎と燃えて」を「商魂こめて 大金(おおがね)で 球は飛ぶ飛ぶ ドームの風で」と変えている。さらに「その名担いて グラウンドを照らすプレイのたくましさ」を「八百長プレイで グラウンドを汚すプレイの恥ずかしさ」に変えるなど、確かに「侮辱的」な内容だ。

 この替え歌は、2011年頃に登場したといわれ、19年にも東京ドーム左翼席の中日ファンが、サビの部分「ゆけゆけ それゆけ 巨人軍」を「死ね死ね くたばれ 巨人軍」と歌うなどして問題になっていた。

 その後、コロナ禍の影響で声出し応援が禁止され、鳴りを潜めていたが、2023年シーズンから解禁されると、巨人と対戦する各チームのファンが再び歌いだした。今季も開幕直後の伝統の一戦で、東京ドーム左翼席の阪神ファンが「商魂こめて」を合唱する様子がYouTubeで公開されるなど、拡散されたことから、阪神、中日両球団が注意喚起する事態となったようだ。

悪意に満ちた替え歌の数々

「商魂こめて」に限らず、ファンが対戦チームや選手を侮辱するような替え歌を合唱するのは、今に始まった話ではない。

 令和以降でも、2019年に広島から巨人にFA移籍した丸佳浩の応援歌「誰より強く さらなる高みへ この大歓声が 君の味方だ さあ我らと行こう 丸佳浩」が、「誰より高く 積まれた札束 (FA移籍時の年俸)4億5000万が 君の味方だ さあお金で釣ったぜ 丸佳浩」と悪意に満ちた内容に変えられている。

 そして、平成以前にも多くの替え歌が歌われていた。

 平成の初め頃、近鉄ファンが西武の4番・清原和博の応援歌「光り輝く 大空高く 燃える男の チャンスに強い清原」に合わせて、「顔もでかいが 態度もでかい 女たらしの チャンスに弱い清原」と歌っていた。

 当時西武に在籍していた大久保博元氏も、自身のユーチューブチャンネルで、清原の替え歌について触れ、3番・秋山幸二の替え歌もあったことを明かしている。

「ジェットミサイルが消える スタンドを越えて 鉄人リストで狙え ぶちかませ大空へ」(のちに『消える』が『飛ぶよ』に変更)を、近鉄ファンが「ただ今私はスランプ スランプスランプ ただ今私はスランプ ホームランが出ない」に変えて合唱していたという。

 打撃不振に陥っているときに、自身の応援歌に合わせて「スランプスランプ」と歌われたら、たまったものではない。大久保氏は半ば呆れながらも、「この近鉄ファンの親父ら、よく考えたなあ。語呂もピッタリじゃねえか」と感心していた。

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