復活V「神谷そら」驚きの逆転劇を振り返る 「海外志向の彼女としては真価が問われる状況で…」

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三つどもえの戦い

 球技の観戦はたいてい一つのボールだけ見ていれば済む。だが、選手の数だけ球が飛び交うゴルフではそうはいかない。優勝争いを楽しむには戦況に応じてあちこち移動する必要がある。しかし、5月18日に福岡雷山GCで行われた国内女子ツアー「Sky RKBレディスクラシック」最終日は違った

 前日9アンダーで首位に並ぶ神谷そら(22)、金沢志奈(29)、小祝さくら(27)がそろって最終組でスタートし、最終ホールまで三つどもえの戦いを繰り広げたのだ。

「最初から最後までこの組に張り付いていれば優勝争いを完全にカバーできた。珍しい大会になりましたね」

 と、大手紙記者が語る。

「このコースは好きになれない」

 試合展開も異例だった。

 9番を終えて、首位金沢を2打差で神谷、小祝が追う展開。12番終了時に差は4に広がった。小祝は13番から3連続バーディーで1打差に詰め寄るが、神谷のスコアは伸び悩んだ。

〈15番セカンドでリーダーボードを見た時に、私の名前は無かった〉

 と、優勝インタビューで神谷が振り返る。

 彼女の売りはツアー1位を誇る257ヤードの平均飛距離だが、今回は18ホール6489ヤードの短いコースで、ドライバーは5回しか握れなかった。ゆえに、

〈このコースは好きになれないと思います〉

 と笑う神谷だが、最終18番ホールは違うだろう。

 15番から3連続バーディーで覚醒した神谷は、小祝と共に金沢に1打差に迫り18番へ。492ヤードパー5。2オンが狙える!

 勢いに乗る神谷は2オンに成功。さらに、3オンでバーディーパットを残した小祝、パーパットを残した金沢の前で、6メートルのイーグルパットを沈めてみせた。

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