「一方的な広告ではなく…」登録者120万人突破「mixi2」が狙う意外なマネタイズ方法とは

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 昨年末にリリースされて話題を呼んだ「mixi2」は、わずか1週間で登録者数が120万人を突破したという。昨今の混沌とするSNS空間に一石を投じるか、注目されているのだが、一方で重要なのは、その収益化の方法だろう。MIXI社長が言及した、「従来の広告」とは異なる新たな形とは。

※本稿は「週刊新潮」2025年5月29日号掲載の対談企画「経済アナリスト森永康平の ビジネスリーダーにドロップキック!」を再編集した記事です。

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「mixi2」の登場

 かつて一世を風靡した「mixi」が、「2」として帰ってきた。このタイミングでリリースした理由について、MIXIの木村弘毅社長に尋ねると、

「やはり現在のSNS環境が背景としてありますよね。炎上した者勝ちの“アテンションエコノミー”が幅をきかせ、知らない人同士がいがみ合い、政治的なイデオロギーも混ざるようになり……。本来のSNSは、もっと温かくてハッピーな空間だったはずなんです。一方で、今はゲームやスポーツなど様々な事業を展開している弊社ですが、『コミュニケーション屋』として、ソーシャルネットワークの部分でもまたトライをしたいという思いがありました。こうした事情が重なって生まれたのが、mixi2です」

 現在のSNS空間に一石を投じようというわけだ。

「情報だけでなく、感情のやりとりができて、心が繋がるネットワークを取り戻したいなと思っています。ですからかつてのmixiのような雰囲気は保ちつつ、招待制にしたり、感情を表現できる「エモテキ」という機能を付けたり、色々工夫しているところです」

「mixi2」の収益化

 しかし民間企業の事業として取り組む以上、ボランティアというわけにはいくまい。収益化の目途は立っているのか。

「まずはSNSをめぐる社会課題があるなら、企業としてその解決に取り組みたいというのは前提にあります。その上で、現在のSNSに不満を抱える層のシェアを獲得できれば、新たなマネタイズの仕組みに繋げていけるのではという考えも持っています。たとえば釣り好きのコミュニティができて、その活動を釣り関連の企業がスポンサーとして応援する。そんな仕組みがつくれないかと考えています。コミュニティ側からすると、自分たちの趣味を企業が応援してくれるとあれば、その企業に抱く印象も変わって、そこに信頼関係が生まれるはず。こうした新しい繫がり、関係値をビジネスに活かすのは、私たちだからこそできると思うんです」

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