Netflix新企画「罵倒村」で怒涛の悪口を浴びる渡部建が探る「バラエティ」復帰への道

エンタメ

  • ブックマーク

村人から激しい罵倒

 人気テレビプロデューサーの佐久間宣行氏が手がけるNetflixコンテンツ「罵倒村」に、かつてのスキャンダルで表舞台から姿を消していたアンジャッシュの渡部建が出演している。一歩足を踏み入れると村人全員から罵倒されるという架空の村に迷い込んだ芸人たちが、村人からの激しい罵倒に対して怒りを表に出すことなく我慢できるかどうかを競い合う。この過酷な状況で芸人たちは笑いのセンスと忍耐力を試されることになる。

 ***

 渡部は、佐久間氏のYouTubeチャンネルで公開されていたYouTube版の「罵倒村」にも出演しており、このNetflix版でも再びキャスティングされることになった。自身の過去を徹底的に蒸し返されるターゲットとなっている。

 高圧的な口調で村人から責め立てられる渡部は、過去の不祥事にまつわるあらゆることを笑いのネタとして消費されている。そんな彼のことを痛々しいと思う人もいるかもしれないが、本人はいたって真剣にこの企画に挑んでいる。

 終始うつむき加減で反省している態度を見せながらも、ときには自らネタにして場を盛り上げる姿には、一定の覚悟が感じられる。自身の過去を笑いに変えるというのは、芸人としては王道の再起のパターンだが、それが成立するかどうかは、結局のところ実力次第だ。

 活動再開後の渡部建は、主にYouTubeや配信番組を主戦場にしている。バラエティに出ると、芸人たちから遠慮なく不祥事をネタにされ、容赦ないイジリを受けている。どの角度から何を言われても、渡部はそれを堂々と受け止めて、笑いを生み出している。

 不祥事が発覚する前の渡部は、どちらかと言うと落ち着いた清潔感のあるイメージの芸人だった。ところが、事件を境に彼の印象は180度変わった。優等生ぶったキャラクターを脱ぎ捨てて、イジられキャラとして再スタートを切ることになった。

 この変化は単なる開き直りではない。不祥事によってすべてを失った人間が、それでも芸人として表舞台に立ち続けるために選んだ「受け入れ」と「再構築」の過程である。芸人とは、究極的には「笑われること」を引き受ける職業でもある。それを徹底する覚悟が見えたからこそ、視聴者も徐々に彼を「笑ってもいい存在」として受け入れ始めている。

次ページ:むしろ好都合

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。