「桑田佳祐さんのモノマネ企画をやる場合は丁寧な確認を」 「水ダウ」でアミューズを怒らせたTBSの“異様な対応” 「かつてのジャニーズの特別扱いとまさに同じ」

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 たわいもない「ものまね番組」に、大手芸能事務所アミューズが怒髪天。これに慌てたTBSは、局内でヘンなお達しを出していた。

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TBSの過剰反応

 騒動の舞台となったのは、3月12日にTBS系で放送された「水曜日のダウンタウン」だ。番組では「女がやる桑田佳祐モノマネ面白い説」を検証するというテーマの下、「第一回女桑田選手権」が開催された。

 サザンオールスターズの桑田佳祐(69)になり切るべく、椿鬼奴(53)など女芸人らが、渾身のものまねを披露してみせたのだ。

 だが、番組放送後ひと月もたたずして、TBS社内では異変が起きたという。

 同局関係者が明かす。

「件の番組が気に食わなかったのか、桑田さんの所属事務所アミューズが、TBSに猛抗議をしたそうです。すったもんだの末、4月9日付でTBSのコンテンツ制作局は、〈桑田佳祐及びサザンオールスターズのモノマネに関する今後の方針について〉と題する社内向けの通達を出したのです」

 どんな内容だったのか。

 まず初めに〈大きな企画の中で、誰かが一曲ものまねをしたなどの場合は、アミューズへの事前相談は必要なし〉としながらも、〈但し、下記のいずれかに該当する場合は、アミューズへの事前の相談を経て丁寧な確認が必要〉とある。

 例えば〈桑田佳祐さんやサザンオールスターズの名前を冠にしたような企画の場合〉や、〈ラテ欄、EPG(注・電子番組表)などに桑田佳祐さんやサザンオールスターズの名前を使用して番組PRを行いたい場合〉。

 つまりは、先に触れた類いの「桑田のものまね企画」は、今後アミューズへの事前相談が必須なのだ。

 アミューズといえば、桑田のみならず、福山雅治(56)や星野源(44)、吉高由里子(36)など多数の人気者を抱えることで知られる。

 特に福山は、TBSが誇る看板ドラマ「日曜劇場」で、一昨年に主演した「ラストマン」の映画化が発表されたばかり。異様な社内通達は、蜜月関係の崩壊を恐れたTBSの過剰反応と捉えられても仕方なかろう。

「桑田さんの本意じゃないのでは」

「今回の社内通達が問題なのは、桑田さんやサザンに限って“気を使え”と言っているに等しいことです」

 そう指摘するのは、テレビ朝日であまたの番組制作に携わり、現在はフリーのテレビプロデューサーとして活動する鎮目博道氏である。

「一連のジャニーズ問題は、テレビ局が特定のタレントや芸能事務所を特別扱いしたことが背景にあった。それとまさに同じことを、この期に及んで行う神経が理解できません。件の番組を見ましたが、決して桑田さんを馬鹿にする内容ではなく、ここまで思いを込めて似せてくるかと、出演者たちに感心できる作りでした。このままでは芸人さんや現場が萎縮してしまいます」

 そこで話を聞いたのが、桑田主演CMのスタントを担当した、ものまねタレントのケイスケ(60)である。

「僕らはものまねするご本人のことが大好きで、大勢の人に見てもらってなんぼなので、そういう場がなくなるのは、ちょっと寂しいなと思うところはありますね。僕は桑田さん一筋35年で、桑田さんや原由子さんとも近しくさせていただいていますが、アミューズ側から抗議を受けたことは一切ありません。むしろラジオで桑田さんが僕のものまねを宣伝してくれたくらいです。今回の件は桑田さんの本意じゃないと思います」

 当のTBSにも聞くと、

「株式会社アミューズ様より当社宛てに抗議があった事実はありません」(広報室)

“忖度”する相手は視聴者だけにしてほしい。

週刊新潮 2025年5月22日号掲載

ワイド特集「若葉の季節」より

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